| 障害(児)者福祉施策 |
2000年(平成12年度)12月議会
戸上幸子 鳥羽市障害者福祉計画の進捗状況と、目標実現への課題についてお聞きします。
3日からあす9日まで、この1週間は障害者週間として全国で「ミレニアム頑張るデー」を開催中です。鳥羽市でも現在891名の障害をお持ちの市民がいます。このうち身体障害者は767人で、17歳以下は10人、18歳以上64歳までが335人、知的障害者は124人で、17歳以下は24人、18歳以上64歳までが92人、精神障害者が84人、特定疾患医療受給者が91人です。昨年、鳥羽市障害者福祉計画が策定され、議会に対しても報告会が行われました。計画策定に当たっての記述の中で、この計画は国の障害者基本計画に基づくものであり、本市の障害者施策を総合的かつ計画的に推進するための基本計画だと市は位置づけております。言うまでもなく、この計画の主人公は障害者であり市民です。市の福祉施策が後手に回り、障害者を困らすことがないように、またバリアフリーの社会づくりが現実のものとなるよう、この計画が立てられたわけです。行政も議会もその時々の特徴的な障害者のニーズを把握し、その実現に向けて努力をしなければなりません。
では現在、最も緊急で切実な課題は何でしょうか。それは、この計画策定に先立ち実施された市の障害者へのアンケート調査結果で明らかです。養護学校やわかば学園の高等部を卒業した子供たちが、住みなれた家や地域でともに生活することができる福祉のまちづくりが、現在切実な課題になっているのです。この障害者ニーズにどうこたえていくのかお聞きします。
1、身体障害者は機能回復訓練施設実現への要望が49.1%、介護施設が35.7%と一、二位を占めています。重度の障害者は養護学校卒業の後は、鳥羽で小規模作業所やデイサービスを受けたいのです。しかし、それが十分でないために玉城の宮の里や明和のなでしこ、志摩療育センターなど、遠くまで通所しなければなりません。希望者がふえればおのずと利用日数も限られてきます。ですから、どこの自治体でも自前の施設がほしいわけです。障害者計画に基づいて、隣の伊勢市では市単独事業で新たに定員15名の障害者通所施設を現在建設中です。予算2,800万、国・県の補助が合わせて4分の3あります。市負担は700万円です。人口10万人の大きい町だからできるということではありません。阿児町でも町単独事業で知的障害者の作業所、「福祉農園はばたき」を定員14名で昨年オープンさせました。さらに、新たに身体障害者のデイサービス施設を来年4月オープンに向けて建設中です。これまでずっと鳥羽市は広域の福祉サービスに頼ってきました。しかし、もう大概でこの広域頼みの姿勢を転換しないと、鳥羽だけが取り残されてしまいます。広域サービスももちろん必要なのですが、これからは障害者が生まれた町で、住みなれた地域でサービスを受けることができる、そういう時代なんです。基本計画ができたから新しい動きがあるのかと期待していたのに、これまでどおりです。障害者のお母さん方からいろいろな話をお聞きしました。現在、わかば学園の高等部に片道1時間半もかけて通学しているAちゃんは、小・中学校までは地元の学校に通っていました。「小学校のときの友達が本当によくしてくれた。今も見かけると声をかけ、手を振ってくれる。親も子もいまだに励まされている。高等部を卒業したら鳥羽に帰ってきたい。家から通える作業所がほしいです」と、このように訴えられました。重度の障害者の通所施設の実現について、市長の見解をお聞きします。そして、当面、すぐにでもできることとして、せめて週1回土曜日にひだまりで障害者のデイサービスを実施すべきと思いますが、市長いかがですか。そうすれば、重度の障害者にも地域の人と触れ合う場ができます。最近、10億円もかけたひだまりをもっと活用しないともったいない、こんな声をよく聞きます。とりわけ機能回復訓練施設は活用度が低い。こういうスペースを利用すれば、重度の障害者デイは実施可能です。いかがでしょうか。
このほか、医療費助成など、経済保障への障害者ニーズも非常に高くなっています。現在ミニデイサービスなどを利用してる利用料、送迎料なども含めてですが、公費負担がわずか週3日です。それ以上利用されている方はすべて自費負担で利用しているのです。1日6,900円もかかります。なぜこういう弱い立場の障害者のデイサービス利用について、利用した分をすべて公費で負担しないのか、この3点についてお聞きします。
2、知的障害者は「就労場所の確保」や「職業訓練の充実」がともに31.7%で、一、二位を占めています。ところが現在、市内には小規模作業所は1カ所しかありません。その唯一のあしたば作業所は定員20名ですが、現在18名入所しています。来春にはわかば学園と盲学校の卒業者がそれぞれ1人ずつ入所予定で満員となります。平成14年度は厳しい状況です。もう1カ所が待ったなしの状況なんです。予算措置の展望は開けています。厚生省は最近の新聞報道で定員10人以上の小規模作業所に対する国の運営費補助を、2001年度から大幅に引き上げる方針だということです。来年度予算の概算要求で、1カ所当たり年1,100万円の運営費を補助することを盛り込みました。今後5年間で補助金の対象施設を1,000カ所にするという計画です。鳥羽市も直ちに名乗りを上げて、この予算を獲得して実現に向けて頑張っていただきたい。そして、障害者とその家族の皆さんにミレニアムプレゼントとしてはいかがでしょうか。障害者が障害の程度や個性に合わせ、作業所を選択することができるようになることが時代の要請であると思います。
3、計画目標を実現していくためには、障害者の生の声を日常的に把握する必要があります。そういう体制をこれからどうつくっていこうと考えているのか、答弁を求めます。
市長・井村均 鳥羽市障害者福祉計画の進捗状況と、目標実現への課題についてお答えいたします。
この計画の策定に当たりましては、各種障害者団体の代表者等で構成する策定委員会を平成10年9月に設置をいたしまして、協議をしていただき、障害者が可能な限り自立して地域で暮らしていけるように、また家族の生活を支援していくため広い観点から各種支援施策を総合的かつ計画的に推進すべく、本計画を平成11年3月に策定したところであります。
それでは、1点目の機能回復訓練施設、介護施設の方向性についてでありますが、障害者や介護者の高齢化及び障害者の重度化などにより、施設サービスのニーズも多様化してまいりました。就労訓練や介護を目的とする通所施設、生活訓練のための作業所、家庭での介護、介助が困難な人の入所施設など、必要とする障害者にできるだけ適した場所の提供ができるよう、伊勢志摩障害者福祉圏域の中で各施設との連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の、就労場所の確保、職業訓練の充実でありますが、戸上議員ご承知のように、かつてない長期不況で小規模作業所に仕事が回ってこなかったり、工賃が下がったりして大変厳しい状況にあります。就労の場所を確保していくことは大変でありますが、公共職業安定所やパート相談センターなど、関係機関と連携しながら障害者への職業の紹介や相談、また事業者に対しては求職情報を提供するなど、就業の促進に努めてまいりたいと存じます。
3点目の、障害者の生の声を日常的に把握する体制をどうつくっていくのかとのことでありますが、身近な場所で安心して相談できるよう社会福祉協議会、在宅介護支援センター等の窓口を充実するとともに、身体・知的障害者相談員、民生・児童委員などと連携を密にしながら強化を図ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、障害者ニーズにこたえていくには多くの問題を抱えておりますので、来年1月に障害者福祉計画推進委員会を設置し、総合的、効果的に推進してまいりたいと存じますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁といたします。
戸上幸子 障害者基本計画の問題です。非常に菅島問題に答弁する方に気が行っているのでしょうか、障害者問題についてはこれまでの域を出ない、はっきり言って冷たい答弁だったと思うんです。私は伊勢市や阿児町、そして国や県の動きがこれまでとは違いますよということを踏まえた上で質問をしたわけなんです。ですから、これまでは広域でというふうに言っていましたが、そうではなくて広域とともに自分たちの住みなれた町でというのが、これからの時代の要請なんだと、こういう前提のもとにこの質問をしているということをまず理解していただきたいと思うんです。国が市町村障害者計画策定指針というのを出しております。これに基づいて市も障害者基本計画をつくったわけなんですが、この中の各種施策の課題、目標と具体的な方策という項の中で、生活の場及び働く場の整備という部分があります。ここにこのように書かれております。「障害者が地域において自立した生活を送っていけるよう、ニーズの動向を踏まえて障害者に身近な市町村レベルにおいて、生活の場や働く場を整備していくことが重要である」と。「そしてその際、養護学校等を卒業する者の数を留意する」と、厚生省がこういうふうに書いているわけです。そして私が指摘したのは、1カ所ある小規模作業所がもう来春で満員になると。来年は一体どうするんですかということを聞いたわけなのに抽象的な答弁しかないと。だから、伊勢や阿児に比べておくれてしまっておるということなわけですけれども、ですから、これまでの答弁を繰り返すのではなくて、こうしたことを踏まえた答弁を再度いただきたいと思います。
具体的なことを聞きます。ひだまりの土曜日の障害者デイですが、私は機能回復訓練施設、これを使いこなすためには作業療法士さん、理学療法士さんが要りますから、そう急にはできないことなんです。だから、こういうスペースを利用してやることも可能ではないですかということを言ったわけなんです。それについて答弁をいただきたいと思います。
そして、現在玉城の宮の里などに養護学校を卒業した方が行っていますが、これまで鳥羽は週2回でした。伊勢や度会は週3回でしたので、それに1日追加して補正もやっていますと、そういうように所長は答弁したわけなんですが、伊勢で聞きますと、伊勢の利用者がたまたま宮の里には3日しか行っていないから3日すべて公費負担しているんですと、こういうことなんです。それ担当者に確認していただいても結構ですけれども、だから、宮の里にもし伊勢市民が5日行くのであれば当然5日公費負担しますと、伊勢は言明しております。ですから、3日しか行っていない人と比較して、5日間行っているのに3日でいいという理論は成り立たないわけでしょう。その辺についてどういうことなのか。今は現在宮の里に1人しか行っていないですけれども、来年もう行く人が実際にあるわけです。経済的に余裕がある人もおれば、ない人もたくさんいらっしゃるわけですから、当然公費負担しても当たり前だと思うんです。その点で再度答弁をいただきたいと思います。
そしてもう1点、小規模作業所、来春満員になるというこの重みをどう受けとめているか、もう一度3点お聞きします。
◎社会福祉事務所長(松村久男君) 戸上議員の再度の質問のうち、3点についてお答えいたします。
まず、小規模作業所の件でありますけれども、ご指摘のように、今のあしたば作業所は定員20名であります。現在18名入っておりまして、この4月には2名が入ってきますので、20名定員いっぱいになります。
障害者福祉計画の鳥羽市の目標数値は、平成20年度をめどに40人というふうに置いております。ただ、今のこういった経済状況下では、仕事の需要と供給あるいはその仕事の継続性といったようなことを考えますと、いますぐにそういったことを設置することは困難ではないかというふうに考えております。
したがいまして、そういう必要とする状況が生まれてくれば、そういったことも検討していかなければならないと考えておりますが、当面、伊勢志摩障害者福祉圏域の中で、障害者が可能な限り自立して地域で暮らせるように、そういったことに努力をしてまいりたいと考えております。
それから土曜日の重度障害者の方のひだまりでの機能回復訓練でありますけれども、今のところ土曜日の重度障害者の機能回復訓練については考えていないものであります。
ただ、先ほどお話のありました公費負担の分については、他市との状況も含めて、十分検討をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
以上、答弁といたします
戸上幸子 障害者福祉計画の3問目の質問を行います。
担当所長からデイサービス利用の公費負担については、今後前向きに検討していくという答弁がありました。これはぜひともお願いしたいと思います。しかし、小規模作業所、重度障害者のデイサービスについては、依然としてこれまでの態度だったと思うんです。
社会福祉事務所長は、大きな勘違いをされているように、私思うんです。今も思いましたが、これまでも思ってきました。この小規模作業所というのを語るときに、経済不況とか仕事がないからっておっしゃいますよね。それは全然関係ないことなんです。小規模作業所というのは、本当に例えば宮の里がやってる南勢ワークスっていうところもありますけれども、本当に賃金としては、全国平均でも1万1,000円。そしてその南勢ワークスでも1万4,000円なんです、月。1日働いて。ですから、仕事の給与といいますか、そういうものではなくて、働く場として必要なわけなんです。お金がどうこうという問題ではないわけなんです。
ですから経済不況とか仕事がないから、そういう答弁をされるのは間違っていると思います。ですから福祉計画を立てて、そして平成22年度には40にしていかなくちゃいけないわけですから、当然養護学校の子が入って、あしたばが定員いっぱいになるのであれば、普通だったらふやさなくちゃいけないと思って普通なわけですよね。それに対する答弁、納得いく答弁をもう一度いただきたいと思います。
以上です。
ケアマネージャー
2001年(平成13年度)12月議会
◆12番(戸上幸子君)社会福祉費、目6心身障害者福祉費、節委託料、障害者ケアマネジメント推進事業について、事業内容の詳細な説明を求めます。
12番(戸上幸子君) 介護保険のいろんなケースを掌握している社協に委託するというような所長の答弁でした。これは社会福祉事業法が改正されたことによって、これまで障害者のいろんなサービスは措置制度だったわけですけれども、利用契約にかわると。それを準備するための推進事業であると思います。この利用契約制度に移行することを受けてですね、障害者や家族の間から、サービスはこれまでどおり受けられるのかとか、そういう不安が広がっていると聞いております。障害者の基盤整備のおくれは介護保険の比ではないと、こういうことも全国的にも指摘されておりますし、ましてや鳥羽市のような地方になりますと、障害者はいろんなサービスを受けるときに遠方まで通わなければならないとか、なかなか鳥羽の町でいろんなサービスを受けるということが非常に難しいわけです。
この利用契約制度に移行するに当たっては、やはり現行サービスの水準を後退させないということが前提になると思います。厚生労働省は、今年の夏にこういう通達を各市町村に出しております。まず第1点として、低所得者に配慮し、所得にかかわらず、必要なときに必要なサービスを利用できるような利用者負担体系とすること。第2点目に、これまでの公費負担水準を維持すること。こういうことを通達しているわけですけれども、担当課の方ではこれを確認し、今回の推進事業の中の柱に据えているのかどうか、再度お聞きしたいと思います。