市民参加・協働のまちづくり

市民参加市政の基本的考え方を市長に質す

1999年(平成11年)12月議会

◆12番(戸上幸子君) 現在の市政における2つの重要問題について質問いたします。
 開かれた市政、住民参加の市政についてと介護保険問題です。
 私は10月に、市内12地域で住民の皆さんとの懇談会を持ちました。その場で、この2つの問題に、市民の切実な意見が集中しました。その声を直接お伝えするとともに、市長の見解をただすだけではなく、こう解決していくのがいいのではないかとの、私なりの提案も含めてお聞きいたします。
 今全国各地で、地方自治体の政治、行政をめぐる新たな動きが起きています。住民投票条例の制定、オンブズマンの活躍、重要問題での市民の直接請求、NPOなど、住民参加と公開の強まりです。私たちが生活する地域は、自分たちで守る、自分たちでよくしていく、主権者としての意識と行動です。近隣でも原発の住民投票条例を制定した南島町、市民の飲み水を守った伊勢市の産廃撤回運動は記憶に新しいところです。
 地方分権がうたわれ、地方発信が叫ばれ、まちおこし、むらおこしを全国が競っています。
 市長自身が強調なさっているように、地域活性化の源は住民活性化にほかなりません。一人一人の住民が主権者意識を発揮していくためには、今何が必要なのか。行政と議会は何を手がけなければならないのか。
 憲法の基本原理である国民が政治に参加する権利、すなわち参政権を市民が行使するためには、行政活動に対する判断がなければなりません。この判断の基本的な材料が行政情報です。自治体行政は、住民の税金で運営されています。その保有する情報は、もともと住民の共有すべきものです。住民の積極性を引き出す上でも情報公開は不可欠です。
 情報公開条例の制定は、1982年、山形県金山町の公文書公開条例を先駆けとして、現在、全都道府県が制定しました。県情報公開室の最新資料によれば、三重県内では既に18市町村が制定、15市町村が今年度中に制定、来年度中に32町村が予定しています。鳥羽市は県内69市町村の中で、21世紀中に制定できない16自治体の1つです。13市の中では鳥羽だけです。本市は情報公開に最も不熱心であった、最後まで腰を上げなかった市となってしまいました。市民への公開と市民参加こそ民主主義の根本であり、市政活性化の柱であるだけに、極めて残念です。なぜ、こうした事態になったか、どこに問題があるのか、姿勢をただして究明しなければなりません。
 そこで伺います。第1は、主権者である市民に開かれた行政姿勢についてお聞きします。
 まず市長は、当選直後の本会議での就任あいさつで、市政運営の基本理念として、市民が主人公、市民参加の市政運営を明言されました。市民に開かれた市政こそ、市長の基本理念であることは、現在も変更はありませんか。
 次に、税金の使途の明確化についてお聞きします。
 2000年度予算に対し、不況打開と市政活性、暮らし擁護へ、市民の期待は極めて強いものがあります。市長が先頭に立って実行された住民との懇談会でも、多くの市民要望が出されたと聞いております。
 冒頭述べましたように、納税者である市民にその使途を詳しく報告し、納得と合意を得ることは、行政の第一義的仕事です。先進自治体は、税金の詳しい使途について広く公開しており、学ぶところ大です。
 先ごろNHKで放映されて大きな反響のあった北海道ニセコ町の住民への予算説明書。114ページに上る詳しいものです。これですが、市長にも事前にお渡しをしました。鳥羽市の予算、決算報告は、「広報とば」での概略だけです。今議会が終われば、2000年度予算編成に本格着手しますが、先進自治体に学び、市民にもっと詳しい使途報告をすべきだと考えますが、市長の認識と努力はどうですか。

◎市長(井村均君) 戸上議員の第1問目の、情報公開について、まずお答えをいたします。
 ご承知のとおり、本年の5月、国におきまして行政機関の保有する情報の公開に関する法律、いわゆる情報公開法が公布され、2年以内に施行されることになりましたが、本市でも情報公開条例の12年度中の制定に向けて準備を進めているところでございます。
 まず、市民に開かれた市政につきましては、市長に就任しました折、所信表明の中で市の発展と市民福祉の向上のため、市民が主人公を基本理念として、市政の運営に当たりたいと申し上げ、現在もその理念をもって努力をしているところです。
 次に、税金の使途についての公開につきましては、現在、予算編成状況を毎年「とば広報」で公開していますが、当面、その内容を充実していきたいと思っています。議員からいただきました資料については、十分読ませていただいております。またインターネットでのホームページからも、ニセコ町の町長の姿勢を参考にさせていただいております。

12番(戸上幸子君) 2問目の質問を行います。
 まず、情報公開についてです。
 市長は、私あえて先ほど市長の所信を再確認しました。就任直後の本会議で市民が主人公、そして市民の皆さんの力強い市政参加で事業に取り組むと、市民参加を強調されました。市長の言うとおり、市民が市政に参加する、それも力強く参加するためには公開が大前提であるということは市長も異論がないはずだと思います。
 それでは市長は就任以来、前市長時代にはない、井村市長独自の、市民が市政に参加したいと新たな意欲をわかす、そういう抜本的な市政公開を何か手がけてきましたか。私の知る限りでは、「広報とば」紙上の「均やん、イン鳥羽ネット」とホームページ開設ぐらいですが、そのほかにあれば答えてください。次に、税金の使途の明確化。私はニセコ町の資料を提案して、市長も読んだということですが、お読みになった割には答弁が消極的です。このニセコ町の冊子の扉にはこのように書かれております。「町の予算は、本来町民の皆様のものです。町は予算をわかりやすく皆様に説明し、ご理解をいただく責任を持っています」。このように書かれております。当面「広報とば」での充実を図っていきたいとおっしゃりましたが、「広報とば」はご存じのようにああいう薄い冊子です。充実を図るといっても限界があります。
 市長がよくお読みになったというニセコ町の冊子、お読みになった上で、新たな触発は全くされなかったのか、もう少し具体的に答弁を聞きたいと思います。

◎市長(井村均君) 戸上議員の2問目の質問の情報公開の件に関して、まずお答えをいたします。
 市民参加の具体策でありますが、昨年に引き続き、本年も各地区で懇談会を開催をしております。各地区のそれぞれの代表の方々にお集まりをいただきまして、市政の説明あるいは市民からのご意見というものをお聞きしております。来年度には窓口としてファクスを設置し、意見を聞けるようにしていきたいと、現在考えています。
税金の使途の件に関しまして、ニセコ町の話が出ましたが、ニセコ町の町政については、私も敬意を表するところであります。私としても、今後努力をしてまいりたいと考えております。

12番(戸上幸子君) 3問目の質問を行います。まず、情報公開についてです。
 市長、市政公開について各地区懇談会を行ってきたと、このように言われました。前市長の時代にも随分と懇談会をやっていました。私は、前市長とは違う、ダイレクトな、市民がびっくりするようなそういう市政公開があるかと、このようにお尋ねをしたわけです。
市長は、再度市民が主人公と、市民参加の行政運営ということで言われたわけですけれども、大事なのは、スローガンではなくて実行だと思うんですね。幾らきれいごとを言葉で言ってても、実行がなくてはだめです。長引く不況下で、労働者はリストラにおびえ、地域産業にも活力はありません。鳥羽市民は政治での打開を強く求めております。そのためだったら積極的な政治参加、それをやっていきたいと、そういう熱意も持っています。そこを信頼して、今こそ市長が市民に、この苦境打開のために力を合わせようと、市民の力もかりたい、行政の情報も公開して市民の力もかりていきたいんだ、そのように呼びかけるときではないのでしょうか。
 私たち住民は、主権者として行政の財源に納税という形で責任を持っています。これ、改めて考えてみますと、この責任制度は大変厳しいものです。税金を滞納したら、財産の差し押さえを含む強制措置がとられます。納税の義務規定の厳しさを考えるならば、その税金を使う立場の者の姿勢も厳しさが伴うのは当然ではないでしょうか。納税者の意思に基づかない政策や予算の編成は論外ですし、同時に、市は市民から預かった税金の使い方を公明正大にきちんと市民に説明する、もっと有効に使える方法はないか、絶えず市民の声を聞く。市政についても、これでいいのかどうか、常時市民の意見が反映できるようにする。そのシステムをつくるということが、私は政治の基本だと思います。またそれが鳥羽市の活性化につながると思います。
 改めてこの不況下の厳しい暮らしの中で、きちんと私たち市民は納税の義務を果たしているわけですから、その市民に思いをはせて、襟を正していただきたい。