ペット火葬場問題・ペット条例の制定

付近住民の生活環境権を侵害するペット火葬場建設

2005年(平成17年)3月議会

16番(戸上幸子君) 一般質問を行います。
 これで井村市長と最後の議論になります。複雑な気持ちでございますが、最後まで市民のために実りのある質問にしたいと思っております。
 まず、藤田緑の村へのペット火葬場建設問題についてお聞きします。
 リゾート地鳥羽小涌園緑の村に、昨年10月全く突然ペット霊園、火葬場ができました。隣接の住宅からわずか数メートルの場所に、住民への説明はおろかあいさつすらなく動物の死体焼却が始まりました。住民は悪臭・異臭に悩み困惑し、不安に陥れられ、快適な生活環境を奪われて今に至っています。
 現在、ペット火葬場建設に関して国の法規制がないため、付近住民が生活環境権を侵害される事態が全国で発生しています。ペットブームで霊園へのニーズが高いにもかかわらず規制がおくれているため、法の網をくぐった生活環境権無視の営業が行われているのが現状です。
 こうした自治体では、住民の安全、健康を保持するため、ペット霊園規制条例をつくって生活権を守っています。幸いにも本市には鳥羽市民の環境と自然を守る条例があります。この条例は昭和48年、乱開発を規制し、観光立市である本市が将来にわたって豊かな自然を維持するために制定されました。条例はその第1条で、市、事業者、市民三者に恵まれた自然と良好な生活環境を積極的に確保する義務と責任を課しています。そこでお聞きします。
 1、霊園は昨年10月1日にオープンしましたが、市が知ったのはいつですか。その後現在までの経過を時系列で明らかにしてください。
 2、藤田観光はこの条例に基づく事前の開発協議を受けて、土地購入者と自然保護、環境維持に関する覚書を交わし、建築協定を結びました。その協定に違反をしたのですが、市としてはどう対処するのですか。
 3、条例第11条は、特に事業者に対して法令及びこの条例に違反しない場合においても良好な環境の侵害を防止する最大限の努力をすると。業者の最大努力義務条項を規定しています。市はこの規定をどう遵守しましたか。霊園業者に対してどのような指導をしましたか。その効果はどうでしたか。
 4、火葬場の建築物は建築基準法6条違反ですが、どう指導しましたか。

◎環境課長(片岡直博君) 戸上議員ご質問のうち、1問目の1点目と3点目について私からお答えをさせていただきます。
 第1点目のペット霊園建設問題の経過につきましては、市が知って現地を確認したのは昨年9月28日でした。当日は、南勢志摩県民局環境グループと共同で現地を確認しましたが、ペットの火葬炉は廃棄物処理法の適用外で他の法規制も及ばないものと判断をいたしました。その後、ことしになって1月20日に、ペットの焼却建設及び霊園の撤去を求める署名が市に提出されました。市としましては住民の意向を重く受けとめ、1月24日には実際に火葬するところを現場確認もし、1月26日、31日には管理会社である藤田グリーンサービス株式会社との協議、2月4日には藤田観光株式会社に対してご指摘の覚書に対する見解を示すよう求めるなど、ペット霊園の調査や協議を重ねてまいりました。また2月23日には、土地及び建物の所有者、霊園経営者に会い、住民との協議の場に出ることを要請し、3月1日に住民、藤田関係者、霊園経営関係者、鳥羽市の四者協議を行っております。
 次に、第3点目の市は霊園経営者に対してどのような指導をしたかについてでございますが、一つには近隣の住民に迷惑をかけないこと、二つには住民の理解を求めることを要請しました。その中で、住民の願いは霊園の撤去であることを伝えております。また、ペット霊園は覚書に合致するかどうか、藤田観光に見解をただしましたが、2月21日付で藤田観光から霊園経営者等に対して撤去の申入書を提出したという段階にまで至っております。
 以上、ご理解を賜りまして答弁とさせていただきます。
◎建設課長(杉原俊雄君) 戸上議員ご質問の1問目の2点目と4点目につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。
 最初に2点目の自然保護、環境維持に関する覚書につきましては、当ペット霊園は藤田観光が昭和59年に宅地開発を行った第6工区内の分譲地の1区画にあります。覚書は、分譲する際に土地購入者と交わされました自主規制でありますが、その第4条に指定用途以外の建物に使用指定はできないことが示されております。このことから、分譲業者であります藤田観光並びにペット霊園経営者に、指定用途にない建物は覚書に抵触するのではないかと再三行政指導を行ってきました。そこで、藤田観光はペット霊園経営者に対しまして、ペット霊園の施設の撤去を求める申し入れをしておりますので、その回答を踏まえまして対応を検討していきたいと考えます。
 次に、4点目の建築基準法第6条違反の建物についてでございますが、ペット霊園がオープンしました10月1日ころにはこの建物は建っておりませんでしたが、オープン後間もなく鉄骨造平屋建て40平方メートルの焼却炉の上屋が敷地内に別棟で建っていることを知りました。早速、県の担当者と一緒に現地でペット霊園経営者に無認可建物であるので早急に建築物の内容を報告するように指導してきました。以後、ペット霊園経営者の方から建築確認申請書が提出されてきましたが、既に建物は建っていることから手続違反であることを県から経営者に厳重注意をしたところです。建物が建ってからの後追いの建築確認申請は確認できませんことから、建物の規模、構造、使用材料等の内容報告を求め、その内容を審査し建築基準法上不適合がなければ手続違反は是正されることになると思います。いずれにしましても、県の許認可になりますので今後連絡を密にしながら対応をしていきたいと考えます。
 以上、答弁とさせていただきます。

16番(戸上幸子君) まずペット火葬場の問題ですが、今の課長答弁でもわかりましたように、これまでの計画で明らかなことは、この火葬場が市も住民も藤田観光も知らないうちに、いわば抜き打ち的に建設されたということです。市が知ったのも本当に直前です。10月1日がオープンですから、その3日前だということになります。火葬炉の設置もオープン間際、火葬場の建築物に至っては建築確認の申請も県に提出がなかったということですね。一番隣接の住民を訪問したのはオープンから10日も後でした。しかも、藤田観光からこの間覚書継承の説明を受けていながら建設に踏み切りました。こうした経過を見るならば、もう極めて悪質と言わざるを得ません。
 覚書、建築協定に違反しているという問題ですが、先ほども答弁がありましたが、藤田観光が霊園業者とそして賃借して運営する業者双方に2月21日付で申し入れを行いました。これを読めば違反の事実は明白です。ちょっと紹介しますと、藤田観光グループの緑の村は開発当初より環境維持を重視し、購入者との土地売買契約書締結の際、同時に自然環境に関する覚書を締結し、開発者、管理者、購入者が一体となって保養地としての環境保全に努めている。土地利用についても、個人住宅、別荘、法人寮、保養所、ホテル、旅館、ペンション、医療施設以外に使用できないと規定をし、購入者とともに自然環境を維持しようと長年20年間にわたり啓蒙努力してきた。所有権、移転、賃貸の場合にもこの覚書一切を継承するものであり、これは未来永劫継続する内容である。また管理契約書では本分譲地内に爆発性、危険性のある物品、不潔、悪臭のある物品の搬入と、他の住民に迷惑を及ぼすおそれのある行為をしてはならないとしている。今回のペット霊園施設営業はこの2つに抵触しているものである。即刻ペット霊園施設の撤去を申し入れるとして、文書での回答を求めております。
 それでは、助役にお聞きします。市の基本姿勢にかかわることです。
 先ほど建設課長の方から藤田観光へも行政として働きかけてきたという答弁でしたですけれども、市の基本方向は藤田観光、そして住民、市、三者一体となって撤去という問題解決に向けて行政努力を続けていくと、こういうことですね。解決まで四者協議を続けていくということですね。いかがですか。
 その具体的プログラムをどう進めるのかご答弁ください。

◎助役(森下幸穂君) 戸上議員2回目の再度の質問でございます。
 ペット霊園の部分についてお答えをさせていただきます。
 先ほど環境課長及び建設課長の方から答えてまいりましたとおり、行政の方向につきましてはご理解をいただいておると思いますが、今、藤田観光から2月21日段階で回答を求めてその回答がまだ藤田の方に届いたというような確認の報告は得ていない段階でございますが、昨日の段階におきましてもペット霊園経営者に来ていただきまして、こちらの方に。藤田観光から施設の撤去を求める内容の申し出に対してどのような回答をするのかという考えを聞きながら、鳥羽市としては住民の方からの意に沿えるように撤去をしていただきたいと伝えております。仮に撤去した場合の後の建物の利用、この部分については市としても相談に応じさせていただきますよという形で、霊園経営者の方とも話をしておりますのでよろしくご理解いただきたいと思います。
 あくまで回答を見た上で四者協議にするか三者の協議になるかはわかりませんけれども、引き続き行政としても住民の意向を重く受けておりますので、そういった意味合いでの指導は進めてまいりたいと、このように考えております。

16番(戸上幸子君)まず、ペットの霊園の問題です。先ほど助役から昨日霊園業者を呼んで藤田観光に対しての回答を出す前に市として撤去をしてほしいと、撤去しなさいということを伝えたということでしたので、確認をしておきたいと思います。
 今回、私は鳥羽市民の環境と自然を守る条例の意義を改めて認識しました。広く市民、関係業者に知らしめることはもちろんですけれども、まずその前提として職員が熟読し、実際の日常業務の指針としなければいけないと痛感をいたしました。この問題が起こったときにもこういうところで力がなかったもんですからこういう事態を許してしまったと。そういう意味では、今回この条例について住民の皆さん方がこれは苦境に立たされた自分たちを守ってくれる条例なんだ。生活権、環境権を守ってくれる条例なんだということで勉強されて、自分たちの実際に利益を守るために役立てた。そういう点で市職員、または行政こそ、こうした住民の姿勢に学ぶべきだということを深く思いました。
 市のホームページでもこの条例は晴れがましく紹介されておりますが、実際に生かされなければ絵にかいたもちでしかありません。先達によってつくられた条例をいかに市民の利益を守るために活用するのか、庁内でも大いに研究をしてほしいと思います。
 最後に市長のご見解をお伺いいたします。

◎市長(井村均君) 戸上議員の3問目の自然環境保全のための条例の部分についての市長見解でありますが、自然景観が私ども鳥羽市の売り物でありますから、自然を大切にすることは当然だと思います。

市としての「ペット条例」制定を

2005年(平成17年)6月議会

16番(戸上幸子君)俗に言うペット条例。ペットの焼却施設、霊園施設の規制ですが、本市はこれも未制定のため関係市民に多大の苦痛を与えております。現在、法的な規制を受けない焼却炉は、ペット葬祭施設の焼却炉のみで、国の法整備のおくれは深刻です。
 新潟県柏崎市のペット条例では、隣接土地所有者と地元町内会の同意を得なければ建設できない。また、和歌山県橋本市では、霊園は住宅地から100メートル以上、焼却炉に至っては200メートル以上離れていること、そして、市長の許可が必要であることなどがうたわれております。
 こうした条例があれば、鳥羽のペット焼却霊園業者が隣の住宅からわずか数メートル、付近住民への一言の説明もなく、突然動物の死体焼却を始めるというような事態を許すことはありませんでした。市はどのような教訓を導き出していますか。

◎市長(木田久主一君) 戸上議員のご質問のうち、第2問目の2点目及び3点目についてお答えいたします。
 まず、2点目のペット条例についてであります。ペット霊園建設問題につきましては、市が現地を確認した昨年の9月28日以降、南勢志摩県民局環境グループとも協議をし、住民、藤田関係者、霊園経営関係者、鳥羽市の4者での話し合いを行ってまいりました。
 しかし、地域住民の願いである霊園の撤去につきましては、双方の意見は平行線をたどっており、問題解決には至っていないのが現状であります。したがいまして、鳥羽市民の環境と自然を守る条例では、行政指導の範疇の域を出ないことから住民の生活環境保全を目的として、先進的な自治体を参考に本市においてもペット霊園施設設置等に関する条例を年度内に制定したいと考えております。

16番(戸上幸子君)これについては先進自治体を参考に年度内に制定していきたいという答弁でした。ぜひ急いでもらいたいと思います。全国のペット条例を調べましたけれども、埼玉県の日高市というところでは業者が営業を始めて大問題になってから、わずか8カ月で条例を制定しております。やっぱり何事も機敏に対応してもらうということが非常に大事です。
 鳥羽で言えば、この4月に提案されてきていると、去年10月オープンでしたのでね。そういう状況です。ぜひ年度内ということでしたけれども、取り組みを早めて、早く制定していただきたいと思います。
 また、その条例の充実のために今困っている住民の意見反映が条例充実のために大切だと思いますが、その点、課としてどういう姿勢で臨むつもりですか。お答えください。市民協働の取り組みが必要だということも強調されておりましたが、その点どうかお聞きします。

◎助役(森下幸穂君) 戸上議員再度のご質問にお答えいたします。
 まず、ペット霊園施設設備等に関する条例の制定に当たりましては、市長の考え方であります対話、そして協働の精神から言って、市民の方の意見反映に努めさせていただきたいと、このように考えております。ただ、そのどの段階か等につきましては、詳細につきましては、今後検討させていただきたいと思います。
 また、住民の方の意見反映という部分も含めまして、制定はやはり年度内が精いっぱいではなかろうかと、このように考えておりますので、よろしくご理解を賜りたいと思います。