農業・林業、食と文化

日本の農業と食の安全を守る意見書提案

1999年(平成11年)3月議会

3番(戸上幸子君) お許しを得ましたので、ただいま議題となりました請願第4号、米の関税化を撤回し、食料自給率を引き上げ、日本の食と農を守る意見書採択を求める請願につきまして趣旨説明を申し上げます。
 提出者は津市島崎町146−27 三重県農民運動連合会 会長 草深慎二。紹介議員は私、戸上幸子でございます。
 以下朗読をもちまして説明にかえさせていただきます。
 米の関税化を撤回し、食料自給率を引き上げ、日本の食と農を守る意見書採択を求める請願
 請願の趣旨
 政府自民党は、昨年暮れ、今年4月からコメを関税化(自由化)することを突如として決定しました。重大なのは、国民的議論も、国会での十分な審議も行わずに決定した暴挙であり、断じて容認することはできません。再交渉を目前にして関税化することは、事実上、交渉を放棄するものであり、直ちに撤回すべきです。
 政府は、関税化の口実として「関税化した方が得だ」としていますが、関税化しても、義務輸入米は増え続けます。
 また、「高関税にすれば大丈夫」といっていたはずなのに、アメリカが難色を示した途端に従量税(従価税では約400%強)に切り換えたように、関税を下げることを主目的とするWTO体制のもとで、高関税を維持し続けられる保障はまったくありません。
 1994年にWTO協定によってミニマム・アクセス米の輸入を受け入れた結果、222万トンもの外米が輸入され、コメを輸入しながら農家に史上空前の減反が押しつけられることになりました。また、輸入急増によってあらゆる農畜産物価格が低下し、農家はきわめて深刻な打撃を受けています。農民を苦しめ、日本農業を衰退させている最大の元凶がWTO農業協定であることは明らかです。
 WTO協定の再交渉では、協定実施の影響や非貿易的関心事項(食糧安保、環境保全)などについても議論できるようになっています。食糧主権を守る立場で一律に農業生産を制限しているWTO協定を改定し、米を輸入自由化の対象から外し、義務輸入をやめるように、堂々と主張することこそ日本政府のとるべき態度です。WTO協定の改定を求めることは、輸出国の利益に偏重した協定を公正な貿易ルールに改定することであり、世界の多くの国々の賛同を得られるものです。
 発展途上国からは「WTO協定で甘い汁を吸っているのはアメリカなど一部の輸出国だけ」などという批判が高まり、1996年の世界食糧サミットNGOフォーラムは「各国とも、自らが適切と考える食料自給と栄養水準を達成するための食糧主権を持つ」と声明しています。
 政府は、農業の再建と食糧自給率の向上、世界的な食糧問題の解決のためにも、WTO農業協定の改定を求める国際世論の高揚にこそ努めるべきです。
 農業基本法制定以来、農地面積は100万ヘクタール、農業就業人口は3分の1に減少しています。食料自給率(カロリー)は79%から41%に激減しました。
 国民に安全な食料を安定的に供給するため、これまでの農政を転換し、日本農業を立て直すことは急務です。
 以上の趣旨から、貴議会が以下の施策の実現を求める意見書を採択され、関係機関に働きかけられるよう請願するものです。
 請願事項
 1.米の関税化をやめ、日本の食糧安全保障、環境保護の必要を考慮し、WTO農業協定を改定すること。国民の食生活の基本となる米および主な農産物を「例外なき自由化」から除外すること。
 WTO「セーフガード協定」を活用し、セーフガード(緊急輸入制限)を機敏に発動すること。
 1.国民に安全な食料を安定的に供給するため、政府は食料自給率引き上げ目標を設定すること。
 1.日本農業立て直しのため、主な農産物の再生産を保障する価格保障を充実すること、中山間地農業に環境国土保全を考慮した所得補償を行うこと、農地を保全し、家族農業を発展させるためにも株式会社の農地保有を許さないこと。
 1.国民の健康を守るため、WTO「衛生植物検疫協定」を改定すること。同協定によって緩められた食品安全基準を元に戻し、輸入食品の安全チェック体制を強化すること。
 1999年3月3日
 鳥羽市議会議長 片岡 納様
 以上でございます。
 よろしくご審議賜り、ご賛同、ご採択いただきますようお願い申し上げ、説明とさせていただきます

鳥獣被害から農作物を守るために

2003年(平成15年)9月議会

◆16番(戸上幸子君)鳥獣被害の問題についてです。この夏の天候不順は農作物とともに鳥獣のえさにも影響し、例年にも増しての被害を農家に与えています。私のところへも多くの苦情と相談が寄せられました。農家の方に案内されて被害現場を幾つか見ましたが、収穫前の稲が一面なぎ倒され、収穫皆無の例すら起きていました。そこで、次の4点について質問します。
 1、市は有害として駆除対象になっている獣畜がどれほど生息していると認識していますか。また、それらによる農作物被害が過去5年間どれほどあると推定していますか。
 2、平成11年6月、鳥獣保護及び狩猟に関する法律の一部改正附帯決議によって、深刻な鳥獣被害対策がうたわれました。これを受けて国は生産振興総合対策事業の中で被害防止事業を決め実施要綱を示しました。国が事業費の2分の1を補助する有効な対策ですが、市はどう具体化しましたか。
 3、駆除獣畜被害に悩む自治体は県単の農林産物獣畜被害対策事業補助金制度を活用し、諸対策を実施しております。本市はこの補助金を一度も申請していませんが、なぜ活用しないのですか。活用すべきではありませんか。
 4、市はこの10年間年50万円ずつ出していた獣畜被害駆除対策の委託金を昨年は10万円、今年は20万円と4割もカットしました。カット理由についてどこまで現状と実態を吟味しましたか。市のこの措置に対し、駆除を全面委託している鳥羽市猟友会は何と言っていますか。
 以上お答えください。

◎農林課長(山口卓男君) 戸上議員のご質問につきましてお答えをさせていただきます。
 農作物の被害額は、全国ベースで見ますと200億円とも言われております。本市におきましても、イノシシ、猿、シカといった野生動物による農林産物の食害や用水路、畦畔等の掘り起こしの被害が顕在化し、農地の荒廃化が懸念されています。特に近年猿の被害が拡大し、ところによっては人間に危害を加えるまでになっています。被害の根本は、針葉樹の増反、材木需要の低迷から30年余りも山林の手入れがされなくなり、広葉樹林が少なく、えさがなくなってきていると言われていますが、人家の近くに出没し被害を出すようになってきました。
 市におきましても県、関係機関と情報交換を密にし、多様な対応策によって野生動物との共存を図りながら、農林業の振興を図っていきたいと思います。
 1点目のご質問についてお答えをします。有害獣畜の生息数ですが、猟友会員の聞き取りにより、イノシシ100頭、猿100頭、シカ200頭前後、その他といたしまして、アナグマ、タヌキがいます。また、農作物全体の被害額は、毎年1,000万円余りありますが、水稲農業共済の獣畜被害調査によりますと、平成10年度が72万円、平成11年度が139万円、12年度が330万円、13年度が212万円、14年度が222万円であります。
 続きまして、2点目のご質問ですが、生産振興総合対策事業の鳥獣害対策事業の実施についてですが、県が事業主体でするメニューと市町村がするメニューとがあります。本市におきましては、採択基準の水田面積が50ヘクタール以上必要なことから検討していませんが、県の事業主体であります鳥獣被害の防止対策として野生鳥獣の生息密度と、鳥獣区域の動向調査事業に、猟友会のご協力を得、参加をしております。
 また、猿の動向調査として遠隔探知装置の着装試験を行っています。16年度はその装置から発射される電波の受信機の導入を計画しています。
 3点目のご質問の県単事業の活用ですが、毎年農協、規模の大きい農家の方へ駆除事業を含めた振興事業の推進を行っていますが、近年要望が出されません。その理由ですが、水田の立地条件が悪く、共同で事業ができない、また高齢化や所得率の低下による負担金等が挙げられます。16年度につきましては、農家の要望もあり、県単事業の導入をお願いしていますが、少しでも農家の被害防除に努めていきたいと考えています。
 続きまして、4点目のご質問の猟友会に対する有害駆除の委託費についてですが、平成13年度まで50万円、14年度40万円、15年度は30万円でお世話になっています。その理由といたしましては、近隣の市町村の状況と財政上の事情から猟友会へお願いして、引き受けていただいております。毎年暑い時期に隊員の方も猟犬も大変な活動でありますが、当面はこのままでお願いしたいと思いますので、ご理解をいただきまして、答弁とさせていただきます。

◆16番(戸上幸子君)有害鳥獣の駆除についてですけれども、答弁によりまして、駆除対象の獣畜400頭、それを含む被害額は、この5年間で総額5,500万円にも達していることがわかりました。農作物は自然相手ですから天災の影響もありますが、毎年毎年1,000万円前後の被害をもたらし続けることは深刻です。しかし、事鳥獣に対する市のこれまでの対応は被害額にふさわしいとは言えません。補助事業について、既に取り入れている浜島町、南勢町などの実施例や県の担当部署に聞きましたが、効果はあるし、県は申請があれば認めると言っています。新年度から申請したいとの答弁ですからそれを確認しておきます。
 委託金カットについてですが、猟友会は承諾しているとの答弁ですが、平成15年度の市の報告書を見ますと、既に9回の駆除依頼を受けて出動しております。田植えなどの農作業自体ができないという依頼のほか、船津保育所周辺に20頭の猿が出没し、幼児に危害を加える危険性まで起きているとの箇所もありました。私も驚きましたが、この5年間の報告一覧を見ましても、幼児への危険性が起きたことは一度もありません。初めてのことです。取り返しのつかない事態の発生も予測されるわけで、単に猟友会と農林課任せではなく、市としての対策協議が必要だと考えますが、市長のご認識をお伺いしたいと思います。

◎市長(井村均君) 答弁漏れを追加します。鳥獣の駆除の問題でありますが、私の認識という部分がありました。船津保育所に猿が出たということで、子供たちに危険であるという報告を受けまして、すぐに担当課から駆除をしてもらうように、それとまた保護者の方に連絡をして、監視をしてもらうように、それから保育園の方には、猿が出没をするから十分子供たちの保育に気をつけるようにということを担当の方からさせました。
 ただ、鳥獣駆除も期間がありますから、取っていい時期と猟友会の皆さんがすぐに出動できるときと、できないときとあるという部分、そのときも猟友会の人に出てもらったら、中には猿を駆除するのはおかしいと、保護すべきだと、猿の方を保護すべきだというふうな市民の意見が出たりということで、非常に難しい部分もありますが、子供たちに危害が加わるといけないということでの対応をすぐにさせました。