05‐9月議会

職員の時間外手当架空請求の問題

 次に市職員の時間外手当と勤務実態について質問します。

いうまでもなく本市は財政の非常事態状況にあります。市長も「すべてを一からの見直す」とのスローガンをかかげて、市行政全般の検証号令を発しています。私たち議会も、チェック機関としての役割を発揮しなければなりません。職員の残業問題はこれまで同僚の寺下議員が一貫して追及され、定期船など一定の改善も進んでいます。しかし、時間外手当は最新の15年度決算でも総額5694万円にものぼります。職員数も減り、当然諸手当が軒並み減額しているなかで、時間外手当だけが対前年比で15%も増加しています。その増加ぶりは突出しています。いったいどこに問題があるのか、原因を究明し、きちんと正さなければなりません。そこでまず、法令及び市の規則はどう定めているかうかがいます。

@地方公務員法第35条職務専念義務規定は時間外勤務までを含めたものと認識しているかどうか。

A「鳥羽市職員の勤務時間、休暇に関する条例」は時間外勤務をだれが命ずることになっているのか。

B「鳥羽市職員給与条例」は時間外手当支給の用件をどう定めているか。

C「鳥羽市会計規則」は公金の支出の用件をどう定めているか。

D庁舎管理規則は職員の時間外出入をどう規定しているか。

 つぎに、時間外勤務の実態についてうかがいます。

E分庁舎を除く本庁舎、市民文化会館各課の平成16年度「超過勤務命令簿」の時間外命令欄の命令者本人記載は何件あるか。

F同16年度命令簿の時間外勤務日数は総計何日か。うち、勤務命令より早く終了した時間外勤務は何日あるか。

G同命令簿記載の勤務時間に手当不支給の事例があるか。

H同時間計算の切捨て、切り上げの件数はそれぞれ何件か。

 つぎに、課の具体的事例についてうかがいます。

I16年度分の健康課最高時間外勤務職員の本人申告時間外勤務終了時間と庁舎管理日誌記載の退出時間の合致は総時間外勤務日のうち、何日ありますか。

J健康課の平成14、15、16年度4月〜8月の時間外勤務は総計何時間か。また17年度の同月比はどうなっていますか。

K平成16年度健康課の職員勤務について、全職員が休まず終日勤務した日数は4月、5月、6月それぞれ何日あるか。17年度比はどうですか。

 最後に

L市当局として職員の「サービス残業」実態をどう掌握しているか。この5年間調査したか。結果はどうか。

以上、1問目、お答えください。

 

【答弁】

 @職務専念義務規定は時間外まで含まれている。
 A時間外は課長が命ずる。
 B命ぜられた職員に支給するとなっている。
 C35条のとおりである。
 D当直者の許可がいる。
 Eほとんど職員本人が記載しているのが実態である。
 F2215日間であり、業務命令時間より早く終わったのは2件である。
 G手当て不支給はない。
 H時間計算の切捨ては100件、切上げは428件である。
 I92日間のうち23日間である。
 J14年度254時間、15年度370時間、16年度138時間である。
 Kそれぞれ数日である。
 Lサービス残業はないものと判断している。

 

【2問目】

●1問目から5問目まで、私は、法令を確認しました。あえて確認したのは、今の実態が、みずから定めた条例や規則を守ってやっているのかどうか。それをみる基準をはっきりさせるためです。それぞれ答弁がありましたが、答弁のとおりで、確認しておきますと、

 第1.地方公務員法第35条の職務専念義務規定「職員はその勤務時間のすべてを職務遂行のために用いなければならない」。残業も規定に該当します。

2.時間外勤務は所属長の命令です。職員が勝手に自己裁量でしてはなりません。

3.時間外手当の支給も、所属長の残業を命ぜられた職員にしか支給できません。

4.市の公金、時間外手当も「適正と認めたとき」以外支給はできません。

5.時間外の出入りも当直者への届出義務がはっきりと規定されています。残業して帰る職員の退出時間は記録されています。退出届出時間が9時30分とすれば、残業終了時間は当たり前ですがそれ以前です。退出が9時半で残業を10時までしていたということはありえません。

では、本市の年間5700万円にものぼる時間外手当は、法令と規則にのっとって支給されていたか。まったくそうではありません。ずさんきわまりないものです。

以下、その事実を明らかにします。

ここに「超過勤務命令簿」があります。平成16年度の本庁舎と市民文化会館各課のものです。時間外勤務を記入し、手当て支給の原本になる重要な書類です。

課長の超過勤務命令の欄と、命令を受けた職員の実際の勤務報告の欄、2つあります。

なぜ2つあるかというと、残業は命令があって初めて行われるからです。課長からの命令欄、それをうけた職員がおこなった残業。それを記載するためです。

ですから、その日の5時15分までに、課長が、職員に残業時間と業務内容を指示して課長の捺印をします。職員が承諾すれば、従事者欄に本人が捺印する。これで残業命令が始めて成立することになっています。そのあと、職員が実際に残業した勤務時間を記入し、捺印し、翌朝、課長が確認したら捺印する。そういう規定です。

 ところがこれが、ほとんど守られておりません。課長が残業頼むと言うだけです。言わない場合すらあります。たまに、何時までと時間指定する課長もいますが、私が聞き取った限りでは、ほとんどしておりません。本来命令者である課長自身が記入すべき命令欄も、ほとんど職員が代筆しています。

 次に、時間数の問題です。

残業は、その仕事をその日のうちにどうしてもやらなければならない場合です。はじめに課長が命令した時間よりも遅くかかる場合もあれば、早く済む場合もある。当然のことです。仕事ですから。

 ところが、先ほどの答弁によると、時間外勤務日は総計で2268日ある。うち、早く済んだ日も、遅くまでかかった日も、一日もない。命令時間と勤務時間が2268日、一日も狂わず、ぴたりと一致している。ありえないことが、なぜ、市のおおやけの帳簿に記載されているのですか。理由はあきらかで、残業した職員が課長の命令まで代筆しているためです。
 次に、手当支給にカウントする時間ですが、30分以下と以上にわけ、以上であれば1時間に切り上げ、以下であれば切捨てと定めています。これは労働基準法で決まっています。本来であれば30分を境に前後同じ時間数ですから、切捨て、切り上げ、同数になるべきところです。

ところが、答弁によると切り捨てが100件に対し、切り上げは実に428件もある。300件も多い。おかしいではありませんか。

そこで質問します。質問の1点目ですが、なぜこういう異常な実態になっているのですか。切り上げだけが300件も多いのですか。お答えください。

 これに関してですが、30分を1時間に切り上げる計算方法について質問します。

時間外手当は10時までは時給の25%増し、10時以降は50%増しになります。時給2000円なら3000円になります。超過勤務命令簿によれば、職員は10時までとそれ以降に分けて時間報告することになっています。それではお尋ねしますが、5時30分から10時30分まで残業した場合、10時までで割増率が違うため、10時でいったん切っています。10時までで4時間30分、10時以降は30分といずれも30分刻みとなって、切り上げ対象になります。切り上げると10時までは4時間、10時以降は1時間となって、実際には5時間しか残業していないのに、残業代の申告は6時間となります。

そこで質問の2点目ですが、市はこの計算方法、どうせよと各課、各職員に指示していますか。前後とも切り上げて実質カラ残業時間を1時間増しにする計算式にせよと指示しているのか、それとも別の計算式を指示しているのですか。お答えください。

 3点目の質問ですが、30分で切り上げの規則に関してうかがいますが、30分に達していなければそれが29分であっても、25分でも規則では切り捨てることになっています。

ところが25分で規則では切り捨てなのに、逆に1時間に切り上げている例はありませんか。もっとはなはだしい場合は、15分しかしていないのに1時間にくりあげた例すらあるのではありませんか。いかがですか。お答えください。さらに驚いたことに、時間計算は1カ月ごとの締め計算で端数が出れば切り上げ、切捨てですが、それを毎日、毎日の計算で切り上げ申告している職員すらいるのではありませんか。お答えください。

つぎに健康課について再度お聞きします。

まず、庁舎管理日誌についてですが、これが現物ですけれども、記載している当直者にどういう管理か、その実態を直接伺いました。文化会館の管理事務所の場合、税務課と健康課の介護保険担当の場合は最後の退出者が部屋の鍵を閉め、それを管理事務所に返却します。その時間を日誌に記入します。市民課、健康課、福祉事務所はそれぞれ最後に退出する者が届け出て、その時間を記録します。時間の記録は部屋の時計を見て記録し、そのあと課の部屋に行って現認をしますので時間に間違いありませんと、当直者は断言なさっていました。

ですから管理日誌に9時退出となっている職員が10時まで残っているということはありません。すなわち管理日誌と本人超過勤務命令簿を照合すれば、本人申告の残業時間が正確かどうかわかります。

先ほどの答弁によると、健康課のこの職員の場合、16年度の時間外勤務日92回のうち、時間が合致したのは23回だけです。私の調査では63回がカラ申告です。たとえば5月18日は9時35分に帰っているのに10時まで残業したと報告しています。9月20日日曜日は9時に来て11時まで時間外したと報告していますが、実際には9時10分にきて10時35分に帰っています。35分もカラ申告しています。16年度のカラ残業時間は63日間、総計すると720分になります。

16年度はこれでもまだましなほうで、14年度を見てみると、8月18日日曜日、実際には朝10時から夜8時20分までしか仕事をしていないのに、朝9時から夜10時までしたと報告しています。2時間40分もカラ申告している。実際には8時間分しか残業手当がないのに、12時間分も請求して受け取っています。14年度は総計950分のカラ残業です。

なぜこんなずさんきわまりないことがおきたのか。当時の課長に聞いてみると、課長みずから残業命令をしていない。この職員が自分で勝手に残業する、それを命令簿に自分で書く、課長はそれに追認の捺印をする。それが実態だったと、情報公開の席上で証言しています。

16年度はこの職員一人に時間外手当を総額86万6793円支払っています。

そこで質問の4点目ですが、カラ残業、時間外手当の架空請求の実態を、市はどのように認識していますか。助役の決まり文句ではありませんが、これしきのことは「許容の範囲」で架空請求とは認識していないのか、それとも知らなかったのか、知ってはいたが直さなかったのですか、どういうことだったのですか、お答えください。

健康課の17年度とそれまでとの対比は、答弁で歴然となりました。16年度までの3年間、課全体の残業時間は14年度438時間、15年度195時間、16年度341時間。8月までを比べてみると昨年は87時間、ことしは4月だけは職員1名減のため31時間ありますが、これは突発的なもので5月、6月、7月、8月と残業ゼロです。前年度までは年間300時間も400時間も残業していた課が、今年度は残業がゼロになる。いったい、それまでの何百時間もの残業はなんだったのか、ほんとうに必要な、市民の血税から25%も50%も割り増し手当てを払うような残業が本当にいったのか、ということになります。

そこでお聞きしますが、質問5点目、なぜ残業が激減したのですか。課はどのような改善でこうなりましたか。参考のために、お聞かせください。

健康課の全職員が休まず朝8時30分から夕方5時15分まできちんと仕事をした日が何日あるか、16年度は4月が3日、5月が6日、6月が9日です。4月の勤務日は21日間です。うち18日間はだれかが休んでいる、満足に全員そろって仕事をした日がわずか3日しかありません。16年度は一年を通して全員勤務が半数を超えた月は1月もありません。それが、17年度になるとがらりと変わる。

なぜこんなに違うのか。体制を代え、課長と職員の意識を変えればこんな顕著になる。その実例ではありませんか。なぜこうできたのか、課長にぜひともお聞きしたい。先ほどの質問とあわせてお答えください。

 

【答弁】

 作為的なものは厳正に対処する。実態を精査する。

 

【3問目】

3問目では、市の姿勢にかかわる事柄ですので、市長のご見解をお聞きします。

まず超過勤務の命令系統の問題です。条例によれば残業はよほどの場合です。だから所属長としての課長が、自分の全責任で、仕事量を分析して命令せよとなっているのです。

ところが実態は時間まではほとんど命令しない。課長命令がないのに、職員個人が自分の判断で勝手に残業して手当てを請求している。行政組織の管理責任が形骸化しているあらわれではありませんか。ただちに改め、課長責任、課長裁断を明確にして、職員の自己勝手な時間外はいっさい認めない姿勢が必要だと思いますがいかがですか。

つぎに残業時間の30分境の切り上げ、切捨てですが、市の資料を全部計算してみると、15分や20分という30分以下を切れ捨てた総時間は1570分あります。一方、30分を1時間に切り上げした総時間は1万650分。10倍も多い。

なぜかというと、命令簿をみると一目瞭然なんです。残業開始は5時半からです。コスト意識のある課長なら、30分刻みにすると切り上げになるから1時間刻みにする。1時間残業しろとか2時間残業しろとか言う。ところがコスト意識のない課長や職員は8時まで、9時までと命令する。だから30分刻みになって切り上げ事態が発生するのです。

課別の切り上げ発生率を調べましたが、財政課が一番優秀で、総残業日315日のうちで27回、8.6lしかありません。税務課も456日と残業日はもっとも多いのですが、切り上げは70回と15%です。一方市民課は32日のうち13回と4割を超す切り上げです。

ちなみに財政課と企画課は、残業を振り替え休日あつかいにして、時間外手当を圧縮する努力をしています。それ以外の課はやっていません。

ここにもコスト意識の高い課長とそうでない課長の差が歴然と出ています。

質問した、5時半から10時半までの時間外についての10時を境にした計算方法ですが、調べてみるとこれも各課バラバラです。

両方とも切り上げているのが財政課、総務課、企画課、会計課です。50%増しの深夜分のみを切り上げているのが商工観光課と建設課です。安いほうの10時までだけを切り上げているのが環境課です。

計算方法すら統一しておりません。こんなずさんな公金の支出をこれまでだれも指摘し、問題にもしなかった。ここにもタガのゆるみがあるのではありませんか。ただちに是正を指示すべきだと思いますがいかがですか。

カラ残業にしても、本来なら公金横領罪で刑事告発ものですよ。 

市長、いま財政健全化しなければならないとき、おおもとの職員の手当て支給がこんな実態では、到底、納税者市民の理解は得られません。サービス残業についても、5年間調査していない、実態を掌握していないとの答弁でした。今回の質問を準備する中で、いろんな事実がわかりました。指摘したように、カラ残業する職員がいる一方、何十時間と残業しても、手当てを請求しない職員もいます。よしあしは別にしてもいまの市の財政を考えると、とても言えない、という職員の心情は私にはよくわかりますし、共感もします。3時間残業したが、手当ての請求は1時間だけにしたという職員も多数います。課長についても、課員の自己かっての残業を追認するだけの課長もおれば、一方でまちづくり課の課長のように、その職員が本来勤務時間内にできる仕事量だったかどうかをきちんとみきわめて、個別に対処している課長もいます。

サービス残業が違法なことはあたりまえです。しかし、本来の勤務時間内にできるのにもかかわらず、しょちゅう喫煙タイムはとるわコーヒータイムはとるわ、いらぬおしゃべりをするわのだらだら仕事で、残業して時間外手当だけはとる、それもカラ残業でとる。こういう職員も残念ながら存在しています。

全国の地方自治体はいま必死に行財政改革、財政再建にとりくんでいます。その基本姿勢はどうか。長野県泰阜村の松島貞治村長の言葉を紹介しますと「歳出削減の考え方の基本は、新たな住民負担を増やさず、歳出削減で乗り切る、歳出削減は、まず私ども身内から徹底的に行い、そのうえで住民サービス関係を削減する」。こうおっしゃっています。これがほんとうではありませんか。先般、議会の全協へ財政健全化計画の説明がありましたが、行革推進室は2年以上もかけてこういう時間外手当の問題すらメスを入れられない。これまで議会で何度も問題になったでしょう。寺下議員もとりあげ、市長は正すと答弁していた。委員会でも何人もの議員から指摘もされ続けてきました。その議会の指摘をあなたがたはいい加減にあしらってきたのではありませんか。だから、こんなとんでもないことが改まっていないのです。身内の削減を徹底しないで、保育料は値上げするわ、ゴミ料金は値上げするわ、と住民に押し付けているではありませんか。こんなものは財政健全化計画の名にまったく値しません。

身内の歳出削減、この職員の時間外。即刻改善しなければならないと思いますが、市長のご認識、改革への方針、いかがですか。お聞かせください。

以上、質問を終わります。

【市長答弁】

 指摘どおりとすれば言語道断である。職員に対して指導を徹底したい。本市の改善が進みつつあると確信している。全員がタガの緩みのない市政運営をしていきたい。