観光・景観・自然

景観条例の制定

2005年(平成17年)6月議会

16番(戸上幸子君) 国際観光都市を標榜しながら、本市は景観条例、景観保護条例がありません。以前にも国際秘宝館の建設めぐって大きな反対運動が起きた経緯もあります。このままでは禍根を残す事態も想起されますが、市はどのような考えを持っていますか

◎市長(木田久主一君)景観保護条例についてお答えいたします。
 文化的景観や自然環境を保全し、良好な文化的景観を将来の時代に継承するため、景観を保護することは大切なことと理解をしております。市におきまして大切にしていかなければならないのは大きく言えば海であり、山であると考えます。しかしながら、国立公園法や森林法などにより既に制限がかけられており、さらに景観保護条例で規制をかけることがよいことかどうか、景観保護条例を制定したことにより、住民や地権者から反発を受けた例もあり、住民や利害関係者との対話を大切にしながら、今後議論を進めてまいりたいと考えております。
 また、景観条例につきましては、今年度まちづくり交付金事業により、佐田浜関係者、近隣地区住民等を含めた協議会の立ち上げを進めており、この中で景観につきましても討議してまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いして答弁とさせていただきます。

16番(戸上幸子君)景観条例については対話を大切にいろいろこれからスタートをしていくということですので、ぜひ前向きに取り組みを進めていただきたいと思います。

河内ダム予定地はオオタカなど絶滅危惧種の宝庫

2005年(平成17年)6月議会

16番(戸上幸子君)河内ダムについてお聞きします。
 河内ダムの必要性の是非、補助金支出の問題についてはこれまでも質問をしてきました。きょうは環境アセスの1点に絞ってお聞きします。
 河内ダムにかかわる環境影響評価準備書の縦覧がありました。地元には1回説明会が開かれましたが、その内容についてはほとんど全市的には知られておりません。河内ダムは貯水面積40ヘクタール、集水面積114ヘクタールに及び、高さ48メートル、堤延長207メートルという鳥羽最大のダムです。当然、諸環境に対する影響があります。
 そこで、伺います。環境アセスは次の事項についてどのように記述していますか。つけ足しは要りませんので、質問にのみお答えください。
 第1、工事区域及び周辺に生息する絶滅危惧種、レッドデータブック記載種などの重要種、希少種は何がどれだけありますか。事前に担当課に言ってありますが、鳥類、魚類、昆虫類、植生のそれぞれについてお答えください。
 第2、工事の実施に伴う注目種生息生育環境のうち、消失をする樹林、植林の面積はどれだけですか。
 第3、貯水予定区域の渓流環境が消滅をしますが、どのような変化がありますか。
 第4、工事の土砂及び使用後に下流河川への変化、地表水、地下水の流況変化はどう想定されていますか。
 以上、お答えください

◎建設課長(片岡直博君) 戸上議員の鳥羽河内ダムについてのご質問にお答えします。
 1点目の工事区域及び周辺に生息する絶滅危惧種、レッドデータブックの記載種などの重要種は何がどれだけあるのかというご質問ですが、鳥羽河内ダム工事区域及びその周辺に生息する重要種としては陸生動物の鳥類としてハヤブサ、フクロウ、昆虫類としてタガメ、オオムラサキなど26種、陸生植物としてジングウツツジ、リンドウなど77種と水生生物としてスナヤツメ、メダカなど6種の計109種です。
 2点目の工事の実施に伴う注目種と生息生育環境のうち、消失する樹林、植林の面積はどれだけかというご質問ですが、工事の実施に伴い改変する面積としてはダム堤体及び淡水湖で約40ヘクタール、工事用道路、つけかえ道路で約5ヘクタール、計45ヘクタールです。そのうち、森林に係る改変面積は40ヘクタールであり、その内訳は常緑広葉樹林が21.6ヘクタールで全体の920.1ヘクタールのうち、消失率2.3%、スギ、ヒノキ植林が18.4ヘクタールで、全体292.5ヘクタールのうち消失率6.3%です。
 3点目の貯水予定区域の渓流環境が消滅するが、どのような変化があるかというご質問ですが、渓流的な川は2.9キロメートルのうち、事業実施に伴い約1.9キロが消失し、オイカワ、アカザ等の生息が困難になると予測され、生態系の変化が生じるものと考えられております。
 4点目の工事土砂及びダム使用後に下流河川の変化、地表水、地下水の流況変化はどう想定しているかというご質問ですが、ダム工事中においては下流域への変化を極力生じさせないよう濁水処理施設を設け、水質監視を行います。ダム完成後の下流河川は6.9キロメートルのうち0.8キロメートルが消失するものの、大部分は存在しますが、ダムの供用による水温の変化が生息環境に影響すると予測されております。
 地表水は、工事用道路の一部が湿地環境を通ることにより約0.8ヘクタールが消失し、乾燥化する可能性があります。地下水については工事用道路のトンネル掘削付近では、沢水の減少が生ずるおそれがあると予測をされております。
 以上、ご理解を賜り、答弁とさせていただきます。

16番(戸上幸子君) 環境アセスによりますと、現地調査の結果、確認した種の数は動物2,614種、植物1,077種、水生動物618種、これらすべて合わせますと、ダム予定地域と周辺に実に4,309種の生物がおります。まさに自然の宝庫になっているわけです。うち、絶滅危惧種は43、レッドデータブック記載種は108種に上っております。鳥類で言いますと、絶滅危惧種のオオタカ、クマタカ、サシバがいます。オオタカはダム建設区域とその周辺を主要なえさ場にしていると指摘しています。サシバは平成13年に営巣とひな2個体、14年にも営巣とひな1個体が確認されております。種の保護へ細心の対応が求められております。樹林など消失する面積は課長の答弁のとおりです。
 そこで、3点お聞きします。
 1、国の法律に絶滅種保護法というのがあります。同法は地方公共団体に対してどのような責務を課しておりますか。
 2、環境アセスの調査結果が全市に知らされておりません。縦覧のお知らせだけで、縦覧したのは数人の市民だけです。改めて調査結果をわかりやすく公表すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 3、環境アセスの結果を受けて、市当局はどのような検討会議を持ちましたか。単に建設課の担当者だけではなく、環境課、企画課、商工観光課、農林課、まちづくり課などかかわりのある課がきちんと現状認識をしておくべきだと思いますが、そうした会議はいつ開きましたか。
 以上、お答えください。

◎建設課長(片岡直博君) 戸上議員の再度のご質問にお答えします。
 まず、1点目の絶滅危惧種の保護に対してどのようにかかわっていくかということですが、それら重要種を保全する必要があることから、ダム事業の実施が環境に及ぼす影響の程度について事前に調査し、予測、評価を行うことにより環境保全措置が行われておりますが、環境アセスメントの準備書については2件の市の意見として提出をされております。また、今後、環境アセスメントの評価書を作成していく中で、市の意見としても今後述べていきたいと思っております。
 次に、2点目の市民公開をどのように進めていくかということですが、平成16年12月の市の広報紙で暮らしの情報で鳥羽河内ダム環境影響評価準備書の縦覧と説明会開催についてのお知らせをしてまいりました。今後においては、三重県とともに相談をしながら、でき得る限り周知するよう検討してまいりたいと思っております。
 3点目の各課協議がなされたかというご質問ですが、鳥羽河内ダム事業についての環境アセスメントの準備書に係る協議はいたしておりません。また、今後においては、各課に周知し、意見の集約に努めてまいりたいと思っておりますので、以上、ご理解を賜りまして答弁とさせていただきます。

16番(戸上幸子君) 先ほど聞きました絶滅種保護法、正確には絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律と言います。ここでは、この法律は自治体に対してそういう種の保存のための施策の策定と実施を責務として定めております。例えば、サシバですけれども、県の環境森林部の自然環境室の専門技師2人に私、直接会って話を聞いてきました。彼らは県内でサシバの営巣活動、巣をつくりそこでひなまで育てているというのは初めて聞いたと語っておりました。
 それと、野鳥の専門家にもレクチャーを受けましたが、繁殖は極めて貴重な例だそうです。また、オオタカのエサ場になっているということは発見されていないだけで営巣と繁殖の可能性も否定できないと語っていました。生息地の自治体の姿勢が大事だということも指摘しておりました。
 地元の説明会でも黄鉄鉱の酸性水問題で意見が出ております。43種もの野生動植物絶滅危惧種が生息する河内ダム周辺の自然保護、環境保全に市としても万全を期すことが極めて大事だと思いますが、市長、いかがでしょうか。
 ほかの2つについては実行を確認しておきたいと思います。
 以上です。

◎市長(木田久主一君)鳥羽河内ダムの環境に与える影響についてでございますけども、これも議員の言われることは私たちも同感でありまして、絶滅危惧種等の存続については十分配慮をしていかなければならないと思っております。
 ただ、そういう中で、今まで洪水によって人命が失われたり、あるいは最近特に地球温暖化の影響によって水害が予想以上に起こる、洪水に対しては万全であると思われていた宮川村でもああいうふうな昨年は大きな被害が起こった。こういうことも考えますと、これからますますそういう災害というものに対する備えをしなければならない。そういう中で、両者のバランスといいますか、そういう面で人命を守る、あるいは財産を守る、そして自然を守っていくという両方が大切だというところで、これも十分に配慮していきたいと思います。
 先ほどの環境アセスメントに関する公開等も含めて、議員のご意見を十分に拝聴しながら、私たちも真剣に取り組んでいくということで、ご理解を賜りたいと思います。答弁といたします。