税金と市民負担

一挙に倍もの市民税引き上げは認められない

2004年(平成16年)5月臨時議会

◆16番(戸上幸子君) 議案第30号、専決処分した事件の承認について質疑をいたします。
 鳥羽市市税条例の一部を改正するものですが、議案の概要説明を読みますと5割増もの増税になる個人市民税均等割を初め、老年者控除も廃止するなどとんでもない増税押しつけとなっております。今でもつめに火をともすように暮らしている鳥羽の市民にとって、またまた冷たい仕打ちだと言わざるを得ません。国の税制改正に伴うものとはいえ、市の行政に直接責任を持つ市長と私たち議会として、一体どういう中身であるのかしっかり吟味し、市民に説明しなければなりません。委員会付託も省きますから、この際、その詳細な説明を求めます。
◎税務課長(寺本信博君) 戸上議員のご質疑の議案第30号、鳥羽市市税条例の一部を改正する条例についてお答えをいたします。
 今回の改正は、地方税法等の一部を改正する法律が3月26日、国会において可決成立し、3月31日に公布、一部の規定を除き4月1日から施行されることとなり、条例を改正する必要が生じましたので、3月31日付で専決処分をさせていただいたものでございます。
 それでは、その改正の主なものにつきましてご説明を申し上げます。
 まず、市民税の関係では、第24条第2項の改正につきましては、個人市民税の均等割の非課税範囲の改正でございます。これは現行の非課税の範囲が所得金額28万円に家族数を乗じましたものに、控除対象配偶者、または扶養親族を有する場合には19万2,000円を加算した金額以下となっておりますが、この加算額19万2,000円を17万6,000円に改めるものでございます。
 次に、第24条第3項の改正につきましては、生計同一の妻に対する個人市民税均等割の非課税措置の廃止でございます。これは、これまで均等割の納税義務を負う夫と同じ市町村内に住所を有する妻に対しましては、均等割の非課税措置がありましたが、課税の公平の観点から、平成17年度よりこの非課税措置を廃止するものとし、経過措置として平成17年度分に限り均等割の2分の1を軽減するものでございます。
 次に、第31条例第1項の規定の改正につきましては、個人市民税の均等割の税率改正でございます。これは、現行2,000円の税率を3,000円にするものでございまして、これまで市町村の人口規模により2,000円、2,500円、3,000円の3段階となっておりました税率区分を廃止いたしまして、3,000円に統一することに伴うものでございます。
 次に、第34条の2の改正につきましては、老年者控除の廃止でございます。これは、これまで納税者が老年者に該当するときは48万円の所得控除がありましたが、税負担の公平を図るため廃止するもので、平成18年度から適用するものでございます。
 次に、附則第5条第1項の改正につきましては、個人市民税の所得割の非課税範囲の改正でございます。これは現行の非課税範囲が所得金額35万円に家族数を乗じましたものに控除対象配偶者、または扶養親族を有する場合には36万円を加算した金額以下となっておりますが、この加算額を36万円を35万円に改めるものでございます。
 なお、第24条第2項及び附則第5条第1項でご説明申し上げました家族数とは、本人と控除対象配偶者及び扶養親族の合計人数でございます。
 次に、附則第17条の改正につきましては、長期譲渡所得に係る個人の市民税の課税の特例の改正でございます。これは、所有期間が5年を超える土地・建物等を譲渡した場合の税率を、現行の4%から3.4%に引き下げるものでございます。
 次に、附則第18条第1項の改正につきましては、短期譲渡所得に係る個人市民税の課税の特例の改正でございます。これは所有期間が5年以内の土地建物を譲渡した場合の税率が、現行譲渡益に対しまして税率9%、または総合課税による上積み税額110%のいずれか多い方の税額となっておりますものを、今回、一律譲渡益に対しまして税率6%に引き下げるものでございます。
 次に、附則第19条第1項につきましては、株式等に係る譲渡所得等に係る個人市民税の課税の特例の改正でございます。これは、上場株式等以外の株式を譲渡した場合の税率を現行4%から3.4%に引き下げるものでございます。
 固定資産税関係では、第54条第7項で新たに家屋附帯設備に係るみなし規定が創設されまして、テナント等家屋の所有者以外の者が取りつけたものを所有者とみなし課税することができることとなり、平成16年4月1日以後に取りつけられたものから適用するものでございます。
 また、その他地方税法の一部改正における条項移動等に伴い、所要の規定の整備をいたしますとともに、経過措置につきましても規定をさせていただいておりますので、ご理解をいただきますようお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。

◆16番(戸上幸子君)それでは、具体的にお聞きします。
 鳥羽市民への実際の影響についてです。2点お聞きします。
 まず、第1点です。個人市民税均等割の見直しについてですけれども、今まで2,000円だったものが一遍に3,000円になるわけですよね。一体どれだけの増税になるのか。私が調べたところ、国全体では平年度ベースで216億円です。妻に対する非課税措置も段階的に廃止してしまうわけですね。働く妻にも課税し、これで323億円の増税と。総額539億円もの大増税となっております。
 では、本市の場合、それぞれどれだけの増税になるのか。担当課は当然試算をしているはずだと思うんですね。対象人員数と増税額をお答えください。
 2点目です。個人市民税での老年者控除の廃止に伴う増税の問題です。65歳以上の高齢者の課税最低額は大幅に引き下がるわけです。これに伴って住民税の課税、また国民健康保険や介護保険料の負担にもこれがはね返ります。これも厳しいわけですね。このことも担当課として議案提案までに調査済みのはずだと思いますけれども、本市では一体どれだけの対象世帯数になるのか、また新たな増税額はどれほどか。いずれも議会として当然押さえておかなければならない数字だと思いますので、以上2点お答えください。

◎税務課長(寺本信博君) 戸上議員の再度のご質疑にお答えをいたします。
 市民への影響ということでございます。
 まず1点目の個人市民税の均等割の税率改正に伴うものでございますけれども、現行2,000円が3,000円に改められるということで、1,000円の引き上げということになるわけでございます。対象人員としましては、約8,000人が1,000円の値上げに当たってくるんではないかというふうに見込んでおります。
 それから、老年者控除の廃止につきましては、平成18年度からの実施ということになるわけですが、該当者につきましては700名を見込んでおりまして、1人当たりでは1万2,000円の増加ということになるというふうに見込んでおります。
 以上、答弁とさせていただきます。よろしくご審議賜りますようお願いいたします。

◆16番(戸上幸子君)先ほどの課長の答弁で大体のことはわかりました。8,000世帯ですので、1,000円上がりますと総額で800万円ですよね、ざっと。それで、事前での聞き取りの中で、妻に対しては非課税措置だったわけですけれども、これを段階的に廃止します。これにつきましても2,100人が対象人員だと事前の調査では聞きましたので、これが18年度になりますと3,000円ということで620万の負担と、ざっと計算しましてね。高齢者につきましては、先ほど該当は700人だという答えでした。1人当たり1万2,000円と。それの総額が増税ということで、市民にとってはかなりの増税額だと思うんですね。特に年金暮らしの方が多いですから、鳥羽の庶民層がかなり厳しいというような今回の税制改革だというふうに思います。
 いずれも国がしたことですよね。しかし、鳥羽市民の暮らしを一層厳しくするような議案ということで、国会で審議されているとき、本来であれば担当課はどういうふうに鳥羽に影響が出るのかというのを試算をして、市長に意見具申をすると。その結果を受けて、市長が国なりにそういうことであれば鳥羽はこういう状況になりますというような、やはりそういう市民の暮らしの防波堤となるという立場で、アクションなどもどんどん起こしていくようなことが必要ではないかなと思うんですね。
 税金として吸い上げた分、市民の懐を温かくするどんな施策が必要かとか、そういったことも当然きめ細かい対応が必要だと思うんです。漫然と国・県からの内示を待って、増税をそのままこの臨時議会の専決処分として提案するということだけでは、やはり責任を果たせないと思うんです。
 今回質疑をするに当たりまして、私はその辺のところを担当課は十分数字として把握しているのかなということで聞いたわけですけれども、実際はおとつい質疑をしますということで通告して、数字を聞きましたら、きのうの5時過ぎてからしか老年者の数とかそういう報告がなかったと。これではやはり市民の立場に立ってどれだけの増税があるのか、また増税された後の徴収はどうなのかと、そういう対策が立てられないと思うんですね。そういった面で担当課の意識改革を求めておきたいと思います。
 本来であれば議会に提案するこの議案に、鳥羽市民に対してはこういう影響が出ますというような数字も付記して、私は当然だと思うんです。その点で、改善を求めたいと思います。
 この点で市長にお伺いしたいと思います。今、鳥羽市民にとっては負担増は、本当に大変な痛手だと思うんです。市長はこんな税制改正、改悪だと思うんですけれども、国に対してどのような意思表示をなさいましたでしょうか。また、負担増を緩和する市民施策どのようにお考えでしょうか。ご見解をお聞きして私の質疑を終わります。
 以上です。

◎市長(井村均君) 戸上議員の2回目の質問にお答えをいたします。
 私どもとしましては、税制を改正するということで受けとめております。直接いろいろと影響を受ける方々にどういうふうな施策があるのかというふうなことについては、今後いろいろと税制そのものとの絡みの中で考えていける部分については考えるという方向になろうかと思います。

市幹部を総動員する滞納整理で収納率が対前年で向上計画にしないのはなぜか

2005年(平成17年)3月議会

16番(戸上幸子君) 2点について質疑をいたします。
 まず、議案第2号、平成17年度鳥羽市一般会計予算、歳入、款1市税についてお聞きいたします。
 本市の市税徴収率は、平成7年度まで毎年90%台を維持し続けてきました。ところが、この10年間は減少の一途をたどり、13年度予算から70%台になり、15年度決算ではついに72.5%と過去最悪、このまま推移すれば60%台にも突入する県下の市でも最低の徴収率にまで落ち込んでおります。
 新年度予算の歳入を見ると、対16年度比で5,936万円も減少しています。こうした市税の落ち込みは、今でもなお厳しい予算編成から、さらに必要な財政さえそぎ落として市民の暮らしを著しく圧迫する事態にまで立ち入らせています。
 当局は特別対策本部を立ち上げるとのことですが、徴収率をどのようにして回復していくつもりかお答えください。

◎税務課長(寺本信博君) 戸上議員のご質問のうち、第1問目の市税についてお答えをさせていただきます。
 平成15年度決算におきまして、市税の収納率は現年度分で92.5%、滞納繰越分で11.9%、市税全体では72.5%で、滞納額は約11億円となっております。この数字に関しましては非常に重く受けとめておるところでございます。
 この主な要因は、長引く景気の低迷における観光業の不振、企業のリストラ、漁業不振等が大きく影響しているものと考えております。本市ではこれまで、伊勢志摩市町村税等滞納整理組合と連携し滞納整理に取り組んでまいりましたが、同組合は、加入市町村の合併が進み今月末で解散されることになっております。
 このような状況の中で、昨年4月に県内全市町村が加入した三重地方税管理回収機構が設立され、県と市町村の徴収体制の連携が強化されたところでありまして、本市におきましても高額滞納事案を徴収委託し滞納整理を進めておりまして、滞納整理組合にかわり滞納整理を専門に行う広域的な組織として大きな役割を果たしていただけるものと期待しております。
 また税務課では、税収確保の取り組みとして直接折衝の強化、口座振替の推進などの重点項目を定めまして、その一環として昨年12月には徴収強化月間として、夜間や休日における納付窓口の開設や臨戸徴収を実施してきました。また、本年1月には鳥羽市滞納整理特別対策本部を設置していただき、市税等の滞納額の縮減を目指して全庁的な取り組みを実施していくことにしております。
 この対策本部では、徴収強化月間を3月、4月、5月とし、期間中、課長補佐級以上の職員の協力をいただきまして臨戸徴収や電話催告を実施していくことにしており、現在、調整作業を進めております。
 さらに税務課におきましては、外部講師による滞納整理研修の実施、伊勢県税事務所との相互併任職員制度の活用などにより、滞納整理の技術・知識の習得に努めるとともに組織の強化を図りまして、収納率の改善につなげていければと考えておりますので、ご理解とご協力を賜りますようにお願いいたしまして、答弁とさせていただきます

16番(戸上幸子君)まず、第1点目の一般会計の問題です。
 先ほど課長から、整理回収機構、そして対策本部で今後取り組みをしていくという説明でした。しかし、市税の滞納繰越分の総額は11億633万円、うち17年度予算に計上した滞納収納目標税額1億3,132万円、11.9%です。全体の1割ちょっとしか滞納整理はできないだろうという予算計上です。ところが16年度を見てみますと、滞納額10億5,588万円に対し収納目標額は1億3,579万円、12.9%です。16年度の方が多くて17年度の方が少ないのではありませんか。
 それでは伺いますが、整理回収機構もあり新たに助役を本部長に総勢71人から成る滞納整理班、先ほど説明がありましたように課長補佐級以上です。市役所の最強メンバーなのでしょう。それらを投入して滞納収納目標数値が昨年度よりも低いというのは、一体どういうことなのですか。最初から効果なしとの予算計上をしているのではありませんか。それとも、特別対策本部を稼働させてもなお徴収率後退には歯どめがかからないとの認識ですか。一体どういう認識でこういった予算計上をしたのか、明確にお答えください。

◎税務課長(寺本信博君) 戸上議員の再度のご質疑にお答えをさせていただきます。
 平成17年度の市税につきましては、16年度の決算見込みを基礎といたしまして調定額、収入率等を勘案して、対前年比1.98%の29億3,718万6,0000円といたしました。
 この主な要因は、法人市民税が上昇傾向で推移しており17.2%の増加が見込めるものの、個人の市民税におきましては平成16年度決算見込みをベースに、新たに適用される税制改正や中部新国際空港補償費等の影響を考慮し算定した結果、6.1%の減となりました。また固定資産税では、地価の下落や償却資産の減少が影響いたしまして1.1%の減となったことなどによるものでございます。
 また収入率につきましても、15年度実績と16年度見込みを基本に確実な予算額の確保といった点を勘案し見込ませていただいたものでありまして、滞納整理機構との連携強化と滞納整理対策本部のご協力をいただき、収入率の向上を目指していきたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げ、答弁とさせていただきます。

16番(戸上幸子君)一般会計の方ですけれども、課長がいろいろ言いわけをしましたが、こんな大がかりな71人から成る滞納整理特別対策本部をつくって、滞納収納目標額は昨年度よりも446万円も少ないということなんですね。つくったことしの方が滞納整理が進まない、歯どめをかけることができない、それでは対策本部とは一体何ぞやということになります。結局のところ、もう本当に及び腰がありありと出ているわけです。これは、本気で徴収を何とかしないと大変なことになるわけです。
 助役は記者会見で、目標数値は決めないと答えたという新聞報道も見ました。しかし、少なくとも気概があるのであれば、その気概を反映した予算にしなければならないのではありませんか。いかがですか。いろいろ苦しい材料を並べましたけれども、そんなことは百も承知のことでしょう。気概をどう示すんですか。