議会の質問と報告
05−12月議会
エピソード
その1 初めての゛議席゛から質問
寺本春夫議員が骨折した。松葉杖と車いすだ。質疑したが自席に座ったままでの発言だ。事務局長に先例を聞いたが「私の記憶にありません」。鳥羽市議会史上、初の出来事らしい。
この件で、中津川市議会を思った。共産党の議員が喉頭がんを手術して声が出ない。代読質問を申請したが、なんと議会はこれを却下した。いまどき稀有な悪代官議会もあった。そんなもんと一緒にすんなと叱られるが、鳥羽市議会たいしたものだ。特例を認め、議会制民主主義をつらぬいた。
議会は3階。エレベーターはない。車いすも昇れない。不自由さを痛感したであろう寺本議員。次回はぜひ実体験の生々しいバリアフリー問題を質問してほしいとの声も紹介したい。
その2 「鹿とやれ!」で満場爆笑
戸上議員が有害鳥獣被害の補助金全額カットを何事かと怒った。イノシシ、鹿、猿に荒らされまくっている。農林水産課長が答弁に立った。すかさず寺本議員から「しかとやれ!」のヤジ。鹿とかけたのがすぐわかって、議場も傍聴席も爆笑に包まれた。
その3 木村議長のシャープな采配
議長が、議員の質問に3回の注意を与えた。10年間、毎議会傍聴しているが、1議会3回の議場指揮は初めてだ。
1回目 中村欣一郎議員。通学時の安全対策の質問だが、説明が多かった。ここで「要点を質問するように」。
2回目 世古安秀議員。鳥羽市のまちづくりについての質問で、金沢など参考例の紹介に時間をかけた。すると「ここは講演の場ではない。一般質問の場だ。質問項目を入れるように」。
3回目 山本泰秋議員。産業育成を質問し、3問目で市長に質問項目を質した。そのあともまた話を展開し始めたため「市長の答弁を求めたあとで、まだなにかあんの」。
傍聴席にいて、この采配はいずれももっともだと感じた。
一般質問でも質疑でも事前に質問項目と1問目の内容を通告する。当局は通告に基づいて答弁を準備する。議員は3回まで質問できる。1問目の答弁の食い違いや問題点を2問目で質す。さらにその答弁をうけて3問目でさらに細部まで矛盾点を突く。こうして、聞くべき全容を浮き彫りにしていくのだ。
ところが、議員によっては2問目、3問目にまったく異質な問題を持ち出す。たとえば「離島架橋を進めるために」をテーマにして質問したとする。内容の項目については●架橋推進の方法●市のとりくみの現状●市民運動の進め方―をあげて通告する。なのに2、3問目で●必要のなくなる定期船をどうするつもりか―などと突然聞く。定期船ならまだ多少とも架橋と関連はする。それでも質問主旨からはずれる。はなはだしいのは●これまで架橋建設での談合は何件発生しているか―などを持ち出す。
架空の例を上げだか、似たような質問は少なくない。
その4 春眠にはまだ遠いぞよ
最後に登壇した山本泰秋議員。「昼ごはんも終わり、みなさん、眠たくなるといけませんので、声を大きくして質問します」と前置きした。10分後、さて、さて…と議場を見渡すと、舟をこぐ議員はすでに6人。もちろん居眠りするなど不埒ではあるが、声を大きくすれば眠らないのではない。議場がふるいたつような質問なら、だれも眠らない。現に、戸上議員の質問など、みんな固唾を呑む。課長席など全員が一言も聞き漏らすまいとの前傾姿勢だ。
議員の質問中、隣の同士でいつまでもぺちゃくちゃ、しゃべっている議員も常連だ。傍聴席のすぐ下なので、雑談の中身までストレートに聞こえてくる。「おや、静かになったな」と下をみたら、すやすやお休み中。眠気を誘う山本質問、とは言わないが、質問も質問なら、議場も議場だ、では市民が困る。