地震防災対策を問う。
津波被害の想定、防災会議開催数、救命講習参加職員数、学校公共施設の耐震補強、非常食の常備、市民参加
2003年(平成15年)3月議会
◆12番(戸上幸子君) 今議会は私たち議員の任期最後の定例会となりました。そこで、市政についてもっとも大事だと思われる3つの柱、すなわち市民の命と財産を守る地震防災対策、鳥羽の主産業である観光の屋台骨にかかわるカジノ問題、鳥羽の未来、子育て渦中の父母の強い願いにかかわる3点に絞って質問をいたします。
最初に、地震防災問題です。
市長も強い指示を出したようですが、担当課を中心に対策のおくれを挽回するため、海抜表示の設置など懸命な努力をしていることは私も承知しています。頑張っていただきたいと思っています。その上で、これまで本議場で今まで議論になっていない諸点、また同僚議員が先ほどただした点につきましてもさらに詳しく市長の見解をお聞きいたします。
まず前提として、東海、東南海、南海の各地震が連続して起きる巨大地震と大津波の危険性が指摘されております。これが発生した場合、本市の被害をどのように想定していますか。お聞きします。
次に、災害対策基本法は市町村に防災会議の設置を義務づけています。市の防災計画を作成し、その実施を推進する最高機関です。この5年間に正式な会議を何回開催しましたか。お答えください。
防災対策上の最優先課題は人命救助です。自治体職員はその先頭に立たなければなりません。1分を争う救急救命処置が生死を分かつため、市消防署は救命講習会を熱心に呼びかけ、休日、祝日を問わず講師を派遣するとまで意気込んでいます。消防署の資料によれば、平成9年度以降の普通救急救命講習は23回行われ、490人が救命手当技術を習得しています。そこでお聞きしますが、この490人の中に市職員は何人いますか。
阪神大震災では5,600人もの命が奪われました。8割以上は倒壊した建物による圧死でした。耐震補強は急務ですが、中でも子どもたちの身は第一に守らなければなりません。鳥羽の小・中学校18校中、耐震補強を終えているのは10校でしかありません。残る8校のうち耐震診断か耐力度調査を実施したのが5校ですが、坂手小学校、加茂小学校、鳥羽東中学校はいまだに診断すらやっていません。考えられない事態ですが、なぜこんなことになっているのですか。
担当課に聞きますと、公共施設の耐震診断についていつやるのか目標値すら持っていないという答えでした。これは作業がおくれている、進んでいるといった以前の問題です。怠慢としか言いようがありませんが、先ほど市長は計画的にやっていくということでしたけれども、それであるなら目標値を持たないというのはおかしいわけですね。目標値を持たない理由は何ですか。お答えください。
次に、非常食ですが、市は市民に対しては3日分を準備するよう広報しています。
ところが市自身の準備状況を見ると、非常食は乾パン、米、サンマの缶詰、合計1,871食です。3食3日とすると207人分しかありません。また、衣料品、薬品の備蓄はゼロですが、これで足りるとする計算は何を根拠にしたものですか。
最後に、市民参加の問題についてお尋ねします。
市長は市民に自主防災意識向上を呼びかけています。そのためには防災会議のメンバーを初め防災計画策定時からの市民参加が必要だと思いますが、市長のお考えはいかがですか。お尋ねします。
◎市長(井村均君) 戸上議員のご質問のうち、公共施設の耐震と防火計画への市民参加についてお答えをいたします。
初めに、公共施設の耐震診断実施目標値についてですが、建物で耐震が求められます公共施設としましては公共住宅の612戸や公衆トイレなども含めまして771カ所で、このうち昭和56年以降の建物と既に耐震審査等を行った施設137カ所を除きますと、56年以前の建物で耐震診断が必要と見込まれます施設が637カ所となり、全体に占める割合は約82%になります。このような現状でありますことから、まず防災拠点施設、保育所、幼稚園や小・中学校の校舎、避難所や公営住宅について優先して耐震診断を計画してまいりたいと考えております。
耐震診断の対象となる内訳としまして、防災拠点施設が3カ所で、このうち市役所庁舎については今議会で審議をお願いしているところであります。保育所、幼稚園、小・中学校の校舎で耐震診断の対象は15カ所で、幼稚園、小・中学校は残る3校を計画しているところであります。また、12の保育園につきましては年次計画を立て耐震診断を行いたいと考えております。
避難所については、今回の地域防災計画見直しの中で風水害等対策編では大雨、台風等避難所として、また、地震対策編では地震、津波避難所としてそれぞれ整備しています。そのうち地震津波避難所については一時立ち退き場所と避難所の二通りに分けており、一時立ち退き場所は津波の来襲に備え最初に避難する最寄りの高台や学校グラウンドであり、避難所は、津波がおさまったあと住宅等に被害を受けていた場合、避難し保護するところとしています。
そこで、津波の際はまず最寄りの高台へ一時的に避難することを考えますと、避難所の中でも高台に位置している建物から耐震診断を行いたいと思います。この見直した後の地震、津波避難所は48カ所あります。そのうち35カ所が高台に位置し、56年以前の建物は22カ所ありますことから、これらの建物について年次計画によって耐震診断を行いたいと考えております。
公営住宅については、耐震診断の対象は540戸ですが、公営住宅ストック総合活用計画を策定した上で耐震診断や改修について検討を行い、計画してまいりたいと考えております。
次に、6点目の防災計画時から市民の参加が必要ではないのかについてですが、地震、津波に強いまちづくりのために防災体制を大きく見てみますと、行政での取り組み分野、地域での取り組み分野、個人での取り組み分野がそれぞれあると思っています。そして、各取り組み分野に予防のための対応があり、応急のための対応があり、復旧のための対応があります。
よく話題に取り上げられますが、阪神淡路大震災では災害が多発し、第一線の消防隊を初め防災関係機関も数に限度があり、発生直後からしばらくの間対応することができませんでした。そこで、隣近所の状況をよく知っている地元の人たちで組織された自主防災会が被害者の救援に活躍しました。それ以来、全国的にも地域ごとの取り組みとして自主防災会の結成に力を入れ、本市でも現在47町内会のうち33の自主防災会が設立されてきております。
そこで、地域と個人の取り組み分野としまして本年度に三重県がモデル地区として尾鷲市を選定し、地元の自主防災会や自治会との共同で津波避難計画を作成し、本年2月に市町村の防災関係者を集め、津波避難計画策定事業説明会を行いました。この策定に当たりましては、津波避難計画がより具体的で実行可能な計画書にするため、地域ごとに住民の参画を得てワークショップの手法で、これは参加者が作業を通じてお互いの考え方を尊重しながら参加者全員の合意形成を図る手法でありますが、この方法で取りまとめ、意見集約をしたものを津波避難計画に反映させています。
本市におきましても、県を初めボランティア等の協力も得て、このような取り組みが必要であると考えております。
12番(戸上幸子君) まず、防災の問題についてですけれども、1問目で私は地震、津波から市民の命と財産を守る市の姿勢、構えの問題を聞きました。先ほど第1点目の被害想定ですけれども、これは課長の方から平成9年度の資料で説明がありました。私たちは今の状況の中で鳥羽はどうかと、自分たちの地域の安全はどうかということを知りたいわけです。東海地方では平成14年10月に出たということですけれども、鳥羽市はどうなのかということを知りたいというのが今、市民の切実な思いなんです。
鳥羽市地域防災計画では、第4節、震災対策を樹立するためには各種の調査研究が基盤、こうとまでうたいまして10項目調査研究を進めると決めていました。ちゃんと書いてあるわけですね。津波研究も入っています。人的被害研究もちゃんと入っています。5年間たったわけですけれども、この5年間に研究をしたのですか、しなかったのですか。したのであれば、5メートルの津波被害はどうか、10メートルの被害、どの地区のどれだけの家屋がやられるのか。夜明け前ならこれだけの人がいるんだから人的被害はこれだけ起きるとすぐに出るはずなんですよね。その点はっきりとお答えいただきたいと思います。
2つ目に聞きましたのは防災会議の問題です。この5年間に1回開催したという答弁でした。前回いつ開いたか、情報公開しましたときにも担当課には記録がありませんでした。平成8年の防災訓練のとき委員で打ち合わせしただけと担当課は言っています。阪神大震災以来、まともに市の最高機関である防災会議を開いてこなかった、これが実態です。
昨年5月13日に1回開いたということでしたけれども、この中身はどうかといいますと、議題は強化地域指定、市の地震災害警戒本部条例制定、地域防災計画の見直しでした。極めて重要な中身でした。ところが、全体の会議時間1時間30分のうち1時間20分は市からの報告。あとは市長の開会と終了のあいさつだけと。委員22人のだれ一人発言した者はおりません。もう驚きます。
鳥羽市防災会議条例によれば、「防災会議は国の災害対策基本法で市町村が設置し、防災計画の作成と実施の推進をつかさどる会議」となっています。普通の市民は、だれしもちゃんとやってくれているだろうなと、こう思っているわけです。ところが、それがないがしろになっているところに私は市の姿勢が象徴されていると、そういうふうに思います。今後この会議をどういう位置づけにしていくのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、救命講習の市職員の数を尋ねました。
消防吏員が講習を受けるのは当然のことですね。そうすると、490名近くのうち市職員は3人だったと、こういう答弁でした。専門の3時間もかかる普通救急救命講習を一般市民が500人近くも受けているわけですよね。私も受けましたんですけれども、それなのに人命救助の先頭に立たなければならない市職員がたった、私は1人だと思っていましたけれども、先ほどの答弁だと3人です。幾らも違いはありません。受講していないと。職員対象の講習会も全く実施していない。
市長、これはあなたの指示一つではありませんか。全職員に毎年救急救命講習を3時間受けさせろ、それぐらいの指示をなぜ出さなかったんですか。これほど防災、津波について問題になっているときに。これは全く理解できないことです。阪神・淡路大震災の教訓を全然くみ取っていないと言うことができると思います。
市長も先ほど言いましたですけれども、2万3,000人も倒壊家屋の下敷きになりましたが、9割は近所のみんなで助けたわけですよね。その救助の先頭に立つべき職員がこうした救急救命の心得を知らない。市民に言う前に、まず職員がその先頭に立つ、そういう体制をつくるのが市長の仕事ではないでしょうか。市民の命を第一に守る防災意識の欠落のシンボル的な数字だと、私は本当に残念に思います。すぐやっていただきたいと思いますが、市長、いかがでしょうか。
次に、耐震診断についてお聞きします。
たくさん耐震補強しなければならないところがあってというのが答弁でしたけれども、子どもたちを守る責任は、学校にいる間は学校なわけですよね。耐震工事自体も急がなければならないわけですけれども、その前段の診断すらまだやっていないということです。努力していきたいとか、やっていきたいとか、そういう答弁はありましたですけども、きちんといついつまでにやると、そういう答弁が返ってきておりません。現場の最高責任者として教育長、どう考えているのかお聞きしたいと思います。
公共施設も同様です。先ほど計画を持っていきたいというような答弁がありましたですけれども、今のところはこうした議会の答弁は、やるとかいろいろ返ってくるわけですけれども、きちっとした目標がないわけですね、計画が。その点について、いつまでにつくるのかお答えいただきたいと思います。
次に、5点目の備蓄の問題です。
先ほど課長が答弁しましたですけれども、長期避難者3,600人と想定しているということで、災害が起こってから1食分3,500食を今回、するということでしたよね。そんなのではとても追いつきませんよね。少なくとも市民に言っている3食3日分、これだと3,600人掛けますと3万2,400食必要になります。全然足りません。医薬品も診療所という答弁でしたけれども、そういうことではだめなわけですね。診療所がないところもあります。各地域、また避難所などに医薬品も当然備蓄すべきですけれども、今後どうしていくのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、市民参加の問題です。
市長の答弁はよくわからない答弁だったんですけれども、市民サイドの防災マップづくりだとか、地道な防災会を通じての活動というのも当然必要なわけです。阪神大震災の教訓をくみ取るからこそそういうことが必要なわけですけれども、肝心なのは、そうした草の根の市民の声を防災会議などに反映させていくシステムをつくる必要があるということです。
この間開かれた防災会議でも全然時間設定もなかったわけですけれども、普通本当に地元で防災問題に取り組んでいる人であれば、絶対そこでみんなの思いを代表して言ったと思うんですね。そういうシステムを今つくっていくというのが非常に大事です。
防災会議のメンバーは、海上保安部長とか警察署長とか各団体の長ばかりです。そうではなくて、草の根のそういう声を生かす必要が、阪神大震災の教訓をくみ取るからこそ必要なわけです。公募して意欲ある市民を広く募るべきではありませんか。市長に改革の意思があるかどうか、お聞きしたいと思います。
◎市長(井村均君)まず、地震防災対策の調査研究についてであります。
調査研究につきましては国・県からの情報収集を基本に行っています。倒壊家屋の予測や津波の浸水予測などには多額の費用がかかりますことから、国・県レベルでの作業結果を本市も採用しています。
特に本市は津波被害が懸念されますが、現在、三重県において東南海、南海地震の津波浸水予測図を作成しています。これは3つの地震が同時に発生した場合の最悪のケースを初め、単独で発生した場合や複数で組み合わせて発生した場合などの6通りの津波のシミュレーションをして、沿岸部で起きる浸水の状況を予想するものであります。これらをもとに浸水予測が求められ、浸水予測図が提供されます。
本市はこの浸水予測図をもとにしてハザードマップを作成し、15年度中に各家庭に配布したいと考えています。
続いて、救命講習の件についてお答えをいたします。
講習会では、これまで市民を対象に防災意識の啓発と救命の講習を主な目的にして開催してきました。職員については防災訓練によって非常時でも対応できるように参加させておりますが、消火訓練や応急手当てなどと同様、心肺蘇生の救命方法にも取り組んでまいりたいと思います。
公共施設の耐震化についてお答えをいたします。
学校を含めた公共施設の耐震化につきましては、先ほど申し上げました現状のご理解をお願い申し上げます。
そこで今回、施設の優先度を明確にし、財政の許す限り今後計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
備蓄、防災会議の公募の問題については、総務課長より答弁をさせます。
12番(戸上幸子君) まず、地震防災対策ですが、これは本当に市民の命にかかわることです。担当課の頑張りもまだまだ足りませんけれども、四苦八苦しているのもまた事実です。もっと質、量とも投入しないと追いつかないと思います。
ひとり暮らしのお年寄り、乳幼児、障害者、それらは家庭や施設、地域に任され、行政は今何の具体的な方策も持っていない、これが現状です。これを一刻も早く改善させるため、人権生活課など各課から職員を集中して防災対策を全力でやらなくてはならないと。仕事に邁進させるべきだと思いますが、その点どうお考えでしょうか。
どんな地震、津波が来ても鳥羽市民の命を一人たりとも奪わせはしない。その決意が行政には不可欠ではないかと思います。大津波でたとえ家が流出したとしても、死者だけは絶対に出さない。市も議会も今挙げてこの決意をして、地震防災対策に英知も財源も結集するときであると思います。市長、その決意がおありかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
◎市長(井村均君)◎市長(井村均君) 戸上議員の3回目の質問の中で防災対策について少し補足をさせていただきますと、平成15年度の防災面の予算といいますのは2億472万8,000円を使わせていただきます。そういうことで皆さん方のご了解を得ようとしております。だから、人命尊重という部分についてはまさにそのことが一番の基本であるというふうに考えております。いろいろの手法をとりながら市民の安全を守るために頑張っていきたいと思います。
津波警報発令にもかかわらず職員参集が25%とは何事か
2004年(平成16年)12月議会
◆16番(戸上幸子君) それでは、一般質問を行います。
今議会では、防災、次世代育成、予算編成の基本姿勢について質問します。
まず、防災問題です。言うまでもなく、災害対策基本法第5条は、市町村に対し地域と住民の生命・財産を守る責任義務を課しております。ところが、津波警報が発令された9月5日の紀伊半島沖地震に関して、鳥羽の行政と職員がいざというとき本当に役立つのか、市民は今強い不安と不信を抱いています。
そこで、次の9点について、発生原因、市の認識、そして検討している改善点についてお答えください。
第1点目、市職員の職務命令遂行についてです。紀伊半島沖地震で市は1回目第2配備、2回目第3配備体制をとりました。それぞれ招集人員、参集人員、災害対策本部班別応集者の人数と率、応じなかった職員の理由、その結果に対する市の認識、改善点、お答えください。
2点目、市職員に対する防災教育はどのように実行されていましたか。防災計画が定める第2、第3配備要員参集訓練を実施したのはいつですか。
3点目、閉鎖した防潮扉は何カ所ですか。閉鎖しなかった理由、管理責任部署に対する災害対策本部の指令はどう発せられましたか。
4点目に、津波警報発令に伴う警報サイレンは気象庁のものだけで、市の警報サイレンを鳴らしませんでした。なぜ、鳴らさなかったのですか。
5点目、市は全域に避難指示を出しました。急いで避難を試みた住民が避難所に行ってみたらかぎがかかっていて入所できないという事態さえありました。このような避難所は何カ所ありましたか。なぜそういう事態が起きたのですか。
6点目、新潟中越地震では通信が遮断され、携帯電話すら通じない地域が各所に出ました。これらに対応する衛星携帯電話を本市は常備していますか。また、防災無線も使用不可能になりましたが、本市の非常用電源は作動しますか。
7点目、この間の一連の台風と地震被災自治体へ、市はどんな支援をしましたか。一人の調査隊も派遣していませんが、なぜ派遣しないのですか。
8点目、災害に遭った自治体へ全国からボランティアが駆けつけてくれますが、本市は災害ボランティア受け入れマニュアルがありますか。
最後に9点目ですが、災害基本法、災害対策本部条例に基づく市の災害補償規則は、全壊家屋への補償をどのように規定していますか。
以上、答弁を求めます。
16番(戸上幸子君) まず、防災の問題です。私の1問目のこの質問の趣旨は、地方自治法、同公務員法、災害対策基本法を示すまでもなく、市役所の使命、市職員の使命感をただしたわけです。日常普段はもちろんですけれども、突発的な災害に対しても最大限対応のできる組織でなければならない。それでなければ、私たち住民は安心して暮らすことができない。そうなっていたのかが問われています。先ほどの答弁を聞いておりますと、市も反省し、改善に向けての作業をしているようなので、2問目以降で質問と提案をしたいと思います。
まず、職員の招集の問題です。第3配備体制で465人中、来たのは116人、4人中3人は来なかったということです。災害対策本部の班別ですが、本部は8部24班から構成されております。うち全員来たのは本部連絡班の1班だけですね、先ほど答弁あったように。で、一番ひどいのは救助部と定期船です。救助は災害対策の中心です。全体の4分の1の104人を配置しているんです。ところが、来たのはたった17人です。一体毎年、毎年の防災訓練、どういうつもりでやっているんですか。それで医療健康班、これ健康課長が班長ですが、33人中1人です。これで市民の命が守れるんですか。助けることができるんですか。班長の健康課長、あなた自身登庁されたんですか。定期船も33人中、来たのは1人です。津波が来るというとき、定期船が転覆しないかどうか、桟橋はどうか、中之郷の事務所はどうか、もう矢も楯もたまらなくなる、これが普通の感覚ではありませんか。実際、漁船が転覆している例もあるわけですね、鳥羽でも。
こういった実態を見ますと私は三つの重大問題があると思います。一つは、職員の大半が市の職務命令を守らなかったということ、二つ目には、災害対策本部体制が円滑に機能しなかったということ。三つ目には市民の生命、財産を守る体制が構築できなかったということ。この3つだと思います。
そこで、市長に質問します。個人の勝手な自己判断で規則を守らない、これは職員の職務命令不履行による地方公務員法第32条違反、信用失墜行為の禁止を定めた33条違反ではないのですか。本部員が参集しなかったため、災害対策本部が円滑運営に支障を来した、これは災害対策基本法第5条実施責務、23条の災害対策本部の災害予防、災害応急対策の実施違反に当たると思いますが、いかがですか。いずれも処分の対象ですが、来なかった職員に対する処分はどうなっていますか。
次に、防災教育です。
7点目の被災地への調査隊派遣ともあわせて質問します。
初動マニュアル説明会を開催しているわけですね。昨年10月2時間もかけてやっております。ところが、そうした特別教育を受けても、それでも守らない事態が起きたわけです。教育がいい加減だったのか、職員がいい加減に聞いていたのか。班員からの問い合わせに、班長が自宅待機を指示した例すらあります。班長自身わかっていません。
津波警報発令、これは全員参集の訓練はやっていないわけですね。やっていれば、対策本部が総務課の部屋で手狭でとても機能しないこととか、伝達伝令に不備があることとか、避難所のかぎもどこにあるかわからない、こういったことが事前に全部わかったわけですよね。そこが問題でした。
そこで質問します。
職員非常招集は、今後抜き打ちで市長1人の判断で実施すべきではないですか。
もう一つは、職員教育を徹底すべきだと思います。基本を再徹底すべき、そして被災地現場で体験学習させるべきです。先ほど水道を運んだとか、いろいろありましたですけれども、そういったものではなくて、もう現場で勉強してくると、いかに大変かということを。そうした点でどう考えるかお聞きします。
3点目に、防潮扉の問題です。
県の地震津波対策室の資料で、津波浸水予測図というのがあります。この中で、防潮施設が機能した場合と機能しなかった場合というのをシミュレーションしているのです。例えば相差で見ますと、3メートルの津波の場合、防潮扉が機能したら住宅地は50センチまでで食いとめられる。しかし、機能しないと1メートルから3メートルの津波が広範囲に襲うと、こういう地図があります。消防署や消防団、この第1の任務は人命救助であるわけですね。津波の前に地震が起こって家屋が倒壊しているわけですから。とても、防潮扉までには現実には手が回らないだろうと言っております。これは当然だと思うんです。常時閉めておくのか、それとも、どういったときには防潮扉を閉めて、どういったときにはともかく命からがら逃げるのか、そういったことを研究すべきだと思います。今後の研究課題だと思いますが、いかがですか。
次に、サイレンの問題です。
一体どこが第一責任かということなんですけれども、これは本部なんです。すぐ鳴らそうという判断を下す者がいなかったということです。市のホームページには、各種警報等サイレンパターンが出ています。津波警報で3秒鳴って2秒休止を5回と、こういうふうにホームページには出ているわけですね。ところが鳴らなかった。きちんと徹底するよう求めておきます。
5点目、避難所の問題です。
野外の一時立ち退き場所から、すぐ屋内の避難所が深夜だったからこそいったわけですね。ところが、各避難所の責任者が確認できないということで、かぎの管理も不明、いろいろ問題が起きました。課長の総括文を読みますと、離島の課長が出張所に出向いたところ、出張所が閉まっていたと、かぎもわからないから自宅待機したと、そういうものもありました。今後、きちんと改善するよう求めておきます。
6点目の常用通信手段の問題です。
これは、鳥羽は衛星携帯はありません。鋭意努力を求めておきます。
8番目です。
災害ボランティア受け入れマニュアルを作成するということでした。多治見市、東京・港区とか、いいマニュアルの例がありますので、ぜひ研究をしていただきたいと思います。
9番目、災害補償問題です。
市の規則では、現在、全壊家屋で5万円、これではもう間尺に合わないわけですね。国も県も見直しましたが、県内でも災害にあった宮川村が100万円にするなど自治体として最大限できる範囲に拡大をしております。鳥羽も再検討すべきですが、どうですか。本市にお金がないということであれば、災害補償基金を制定して、毎年少しずつでも積み立てていく方式を私は提案したいと思います。
◎市長(井村均君) 戸上議員2問目の質問にお答えいたします。
9月5日、地震の際、市民サービスのために存在する職員の使命感の欠如という部分については、市長としてもまことに遺憾であり、強く注意をしたところであります。非常呼集については早急にやる予定です。
それから、少し定期船課の部分については訂正をさせていただきます。
最終報告でわかったことでありますが、定期船の船員32名中15名は、全部の船をエンジンをかけてすぐに出航できるように船の避難の体制をとりました。答志の船については、大築海のところまで船を出して災害に対する備えのマニュアルどおりに動いたということであります。
ただ、事務所の5名中1名しか出なかったという部分については、まことにこれも残念なことで、私の方から強く注意をいたしました。
16番(戸上幸子君)市長は、非常呼集をやると。職員には注意をしたということにとどまりました。私は市民の生命・財産擁護義務を怠ったということで、防災で公務員が果たすべき高い使命感を本当に認識するならば、それは余りにも甘いのではないかと思います。
処分等については、もちろん考えていないということなんでしょうけれども、やはり、この基本中の基本にかかわることに対して、こういうことをした怠慢であったにもかかわらず、処分の検討すらしないというのは、ここに今の行政の姿勢といいますか、身内に甘いといいますか、厳しさがないといいますか、本当に出ているというふうで、私は残念でなりません。
例えば、教育訓練のことなんですけれども、被災地への派遣ですが、全国の自治体がやっているわけですね。今、夏川課長、いろいろ弁解しましたですけれども、県内でも尾鷲市、鳥羽と同規模ですね。県と三重大合同の調査隊に志願しております。私は、実際に尾鷲市の方で防災担当で行かれた方に直接お聞きしました。10月23日の夕方地震が起こり、翌々日でしたか、市長がすぐに現場に行って見て来いと緊急に指示を出したそうです。それで、防災担当、そして尾鷲には病院があります。病院の総務課長、消防、総務の4名が行くということになりまして、情報がなければいけないということで、すぐに県に連絡したところ、県が三重大の先生と倒壊現場の調査ということなので、10月26日から28日、合同で十日町や小千谷市を回って来たと。行って非常によかったと。主に、市役所の周りだとか、そして病院や避難所の受け入れ態勢を見たと、非常に参考になる。途中、震度6も体験し、住民の不安も自分としては実感としてわかったと。これまでの食料品は、アルファ米とか、水とかそういったものだったけれども、実際の避難所ではもうミルクとおむつ、これがもう必需品だったと。こういうことを生かして、もう来年度当初予算にこれを盛るんだということで、非常に生きたということを語ってみえました。こういう例もあります。
教育に関して、私は提案なんですけれども、年に1回各地区を回りまして防災訓練が行われております。私たち議員も参加しておりますが、なぜここに職員が全員集合しないのかというのをずっと疑問に感じておりました。例えば救助班にしても104人がそこで全員顔を合わせていれば、おのずと意思疎通が図られてくるわけです。防災訓練を市民だけではなくて、消防団だけでなくて、全職員がやる。当たり前のことなんですよ。これをぜひ、来年からやっていただきたいと思います。もう絶好の機会だと思います。この点、ご見解いかがですか。
最後に、災害対策本部体制についてなんですけれども、危機管理の基本は本部体制にあるわけです。地震発生11時57分、津波警報発令は0時3分、10分に災害対策本部を設置して、当時本部にいたのは、総務課の何人かと財政課長、税務課長、商工観光課長、消防長、当時の状況を職員の総括文で見ますと、肝心の本部員が来ない。少数で電話応対に振り回される。何をするのか、項目がない。命令系統も不明確。本部も総務課室で手狭。こういう声が出てきているわけです、指摘があるわけです。職員の全員招集でも本部設置と同じに防災無線で全職員非常呼集を放送すればよかったわけです。防潮扉閉鎖も放送でお願いしたらよかったわけです。警報サイレン何度も鳴らす。こういうことをすぐ実行していく、この根幹に今回は欠点があったと思います。
市長は、防災会議で一番の対策は津波だというふうにあいさつしてみえますが、やはり海抜表示など一部進んだ面もありましたですけれども、基本が不十分だったということを今回物語ったのではないでしょうか。
防災会議自体、16年度は1回も開いておりません。去年の4月から丸2年間空白です。災害対策本部長としての市長ご自身の見解と決意を、最後に聞いておきたいと思います。
防災設備費
2005年(平成17年)6月議会
◆16番(戸上幸子君)常備消防費、膨張式エアーテント、今浦耐震性防火水槽、消防団研修センター施設備品、携帯電話119番直接受信システム、小型動力ポンプ車積載車についてお聞きします。
1、今までそれらがなかったため防災上どういう不都合が発生しておりましたか。
2、これら施策実現によって、それぞれ機能はどのように強化されますか。防災安全性はどうなりますか。
16番(戸上幸子君) 消防関係の次の予算化の課題は何かだけ、お聞きをしておきたいと思います。